労働情勢(2020年3月1日現在)

東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 労働情勢

1月完全失業率は2.4%-総務省労働力調査速報ほか

 総務省統計局は2月28日、「労働力調査(基本集計)令和2年1月結果」を発表した。1月の完全失業率(季節調整値)は2.4%で前月と比べ0.2ポイントの増加。就業者数は6,687万人で、前年同月に比べ59万人増加し、85か月連続の増加となった。完全失業者数は159万人、前年同月に比べ7万人の減少となった。

 産業別就業者では、前年同月比で「医療,福祉」、「卸売業,小売業」、「情報通信業」などが増加した

現金給与総額は前年より0.2%減、所定外労働時間は2.7%減-厚生労働省毎月勤労統計

 厚生労働省は2月21日、「毎月勤労統計調査(令和元年12月分結果確報)」を発表した。事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年比0.2%減の564,886円となった。    
また、総実労働時間は前年比0.4%減の140.3時間となり、このうち所定外労働時間は前年比2.7%減の10.6時間となった

一般職業状況紹介状況(令和2年1月分)

 厚生労働省は2月28日、「一般職業紹介状況(令和2年1月分)」を発表した。
 その発表によると、1月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月から0.08ポイント低下し1.49倍(正社員1.07倍)、都内の有効求人倍率は前月から0.12ポイント低下し1.96倍であった

総務省労働力調査(10~12月平均及び2019年平均)

 総務省統計局は2月14日、「労働力調査(詳細集計)2019年10~12月期平均(速報)」を発表した。
この発表によると、正規の職員・従業員は3514万人と,前年同期に比べ17万人増加し、非正規の職員・従業員は2187万人と,35万人の増加となった。また、失業者は171万人と,前年同期に比べ10万人の減少となった。
 また、同日総務省統計局が発表した「労働力調査(詳細集計)2019 年平均(速報)」によると、正規の職員・従業員数は3494 万人と,前年に比べ18 万人増加し、非正規の職員・従業員数は2165 万人と,45 万人増加した。2019 年平均の失業者数については182 万人と,前年に比べ2万人の減少となった。

動画版「令和元年版 労働経済の分析」を公表

 厚生労働省は2月3日、労働経済白書を広範に広めることを目的に、動画版「令和元年版 労働経済の分析」(「労働経済白書」)を公表した。昭和24年に初版を発表して以来、厚生労働省の白書では初の試みである。
 動画版では、白書の第2部「人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について」のポイントや、企業事例を分かりやすく紹介している。

新型コロナウイルス感染症関連特別融資について

 厚生労働省は2月14日、新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店営業、喫茶店営業及び旅館業の営業において資金繰りが懸念されることに鑑み、株式会社日本政策金融公庫におけるセーフティネット貸付に加え、令和2年2月21日より「衛生環境激変対策特別貸付制度」を実施することを公表した。
 対象者は、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた飲食店営業者、喫茶店営業者及び旅館業を営む者である。融資限度額については飲食店営業及び喫茶店営業は別枠1,000万円、旅館業は別枠3,000万円となり、取扱期間は令和2年2月21日から令和2年8月31日までとなっている

職場における新型コロナウイルス感染症の取組防止に向けた取り組みについて

 厚生労働省は2月21日、一般社団法人日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会といった経済団体へ、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みについて要請を行うことを発表した。
 この要請は、労働者が休みやすい環境の整備について経済団体に協力を求め、職場での新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的としたものである。

感染拡大防止に向けて労使団体へ協力要請

 厚生労働省は2月26日、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けて労使団体へ協力要請することを発表した。
 要請内容としては主に、「労働者が発熱などの症状が見られる際の休みやすい環境の整備」、「テレワークや時差通勤の活用推進」、「学校が学級閉鎖になった際に、保護者である労働者が休みやすい配慮」「感染拡大防止の観点から、イベント開催の必要性を改めて検討」の4点である。

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置の対象事業主の範囲の拡大について

 厚生労働省は2月28日、新型コロナウイルス感染症への対応として、令和2年2月14日より講じている雇用調整助成金についての特例措置において、対象となる事業主の範囲を拡大することとした。
 現行の対象事業主は、「日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主」であったのに対し、今回の拡大により「新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主」と変更になる。これにより、日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となる。
 特例措置は、休業等の初日が令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用される

3月は自殺対策強化月間

 厚生労働省は2月28日、自殺対策強化月間中に関係省庁、地方自治体、関係団体においてホットラインを開設・相談会の実施等の相談窓口の強化、広報ポスターを掲示するなどの啓発活動を行うことを公表した

「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブック」の策定

 厚生労働省は2月28日、「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブック」を策定したことを公表した。
 外国人留学生の採用・活躍に向けたチェックリストやベストプラクティス賞等を盛り込んでおり、外国人留学生等の多様性に応じた採用選考や採用後の柔軟な人材育成や処遇等を実践する際に押さえておくべき項目が整理されている。また、その項目に対する取り組みを積極的に行っている企業事例を紹介している

厚生労働省に対し、「取引の適正化」の実現に向けた要請を実施

 連合は2月18日、厚生労働省と公正取引委員会に対し、「取引の適正化」の実現に向けた要請を実施したことを発表した。取引の適正化を実現することにより中小企業の経営基盤を強化し、賃上げ原資を確保できるようにすることが目的である。
 要請には、下請代金支払遅延等防止法等の法令やルールの周知・徹底をはかり、違反事例には厳正な対応を講じる事や.「大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請等中小事業者への『しわ寄せ』防止のための総合対策」にもとづき、働き方改革に関連する下請法違反行為について、指導を徹底すること等が盛り込まれている

「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に基づく要請に連合も参加

 2020年2月26日、梶山経済産業大臣・加藤厚生労働大臣・赤羽国土交通大臣は、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に基づいた労使団体(連合、経団連、日商、経済同友会)に対する要請を、経済産業大臣室において実施した。
 患者・感染者との接触機会を減らすため、風邪症状の労働者への休暇取得の勧奨、テレワークや時差出勤の推進等の対策をお願いしたいとの要請に対し連合は、パート・アルバイトや派遣といった働き方を含めて、賃金など処遇に影響が出ないよう対応することが重要であると同時に雇用調整助成金などが有効に利用されるための情報提供も不可欠と述べた

新型コロナウイルス感染症発生にともなう雇用・産業対策に関する緊急申し入れ(要請)

 東京地方労働組合評議会(東京地評)は2月28日、小池都知事に対し、新型コロナウイルス感染症発生にともなう雇用・産業対策に関する緊急申し入れを行ったことを発表した。
 要請内容として、区市町村、労働団体などによる多様な臨時相談窓口の設置を支援し、それらで把握された課題等の解決にむけて、関係機関の連携を迅速かつ柔軟に進めること、緊急助成策を講じ感染者発生事業所の雇用の安定を図ること、中小企業や労働者に対し既存の融資制度を活用するとともに利用条件や限度額の緩和等行う事などがもり込まれている。

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・1月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」

労働力人口 6,846万人 ( 6,883万人 )
就業者数

6,687万人 ( 6,737万人 ) 前年同月比59万人の増加。

完全失業者数 159万人 ( 145万人 ) 前年同月比7万人の減少。
完全失業率【季節調整値】 2.4% ( 2.1% )

労働市場<東京都・1月>

資料出所:東京労働局「職業安定業務統計」

月間有効求職者数 111,434人 ( 108,085人 )
月間有効求人者数 210,855人 ( 218,849人 )
有効求人倍率【季節調整値】 1.96倍 (2.08倍 ) <全国:1.49倍(1.57倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

一般労働者月間賃金・労働時間<東京都・12月・規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「毎月勤労統計調査」

現金給与総額 726,625円(369,543円 )
定期給与 329,330円( 329,535円 )
特別給与 397,295円(  40,008円 )
総実労働時間数 139.0時間 (140.8時間 )
所定内労働時間数 127.6時間 (129.1時間 )
所定外労働時間数  11.4時間 ( 11.7時間 )

倒産状況<東京都・1月>

資料出所:東京商工リサーチ

件数 116件 (  149件 ) <全国:773件(704件)>
負債総額 9,860百万円 ( 32,165百万円 ) <全国:124,734百万円(156,864百万円)>

 倒産件数は、116件(前年同月比0.9%減)と、前年同月を下回った。負債総額は、98億6,000万円(前年同月比88.9%減)となった。負債額10億円以上の倒産は0件(前年同月6件)となった。業種別件数では卸売業(31件)、サービス業(21件)、小売業、宿泊業、飲食サービス業(14件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のしわ寄せ・売掛金等回収難)は96件となり、倒産件数における構成比は82.8%となった。倒産企業総従業員数は425人となり、前年同月の1,340人と比べ68.3%減少となった。

お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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