労働情勢(2020年4月30日現在)
東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。
1 労働情勢
3月完全失業率は2.5%-総務省労働力調査速報ほか
総務省統計局は4月28日、「労働力調査(基本集計)令和2年3月結果」を発表した。
3月の完全失業率(季節調整値)は2.5%で前月と比べ0.1ポイント上昇した。就業者数は6,700万人で、前年同月に比べ13万人増加し、87か月連続の増加となった。完全失業者数は176万人、前年同月に比べ2万人の増加となった。
産業別就業者では、前年同月比で「医療,福祉」,「卸売業,小売業」などが増加し、「製造業」などが減少した。
現金給与総額は前年より0.7%増、所定外労働時間は3.8%減-厚生労働省毎月勤労統計
厚生労働省は4月21日、「毎月勤労統計調査(令和2年2月分結果確報)」を発表した。
事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年比0.7%増の266,706円となった。
また、総実労働時間は前年比1.6%減の135.6時間となり、このうち所定外労働時間は前年比3.8%減の10.3時間となった。
一般職業紹介状況(令和2年3月分及び令和元年度分)
厚生労働省は4月28日、「一般職業紹介状況(令和2年3月分及び令和元年度分)」を発表した。
その発表によると、3月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月から0.06ポイント低下し1.39倍(正社員1.03倍)、都内の有効求人倍率は前月から0.09ポイント低下し1.87倍であった。
また、令和元年度平均の有効求人倍率は1.55倍で、前年度に比べて0.07ポイント低下。令和2年1月から求人票の記載項目が拡充され、一部に求人の提出を見送る動きがあったことから、求人数の減少を通じて有効求人倍率の低下に影響していることに留意が必要とされている。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置を追加実施
厚生労働省は4月10日、雇用調整助成金に係る特例措置を拡充し、令和2年4月1日から同年6月30日までの間は、緊急対応期間として、上乗せの特例措置を講じることを公表した。
助成率の大幅引き上げ、教育訓練の加算額及び範囲を拡大、事後提出の可能期間の延長、雇用保険被保険者でない労働者も対象にする等が挙げられている。
また、同時に申請書類の大幅な簡素化も行い、これにより事業主の申請手続きの負担を軽減するとともに、支給事務の迅速化を図る。
「新卒者内定取消等特別相談窓口」を全国56ヵ所新卒応援ハローワークに設置
厚生労働省は4月10日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をめぐる新卒者の採用内定取消し等の状況を踏まえ、4月13日(月)から、全国56ヵ所に設置している新卒応援ハローワークに、内定取消及び入職時期の繰下げにあった学生等のための「新卒者内定取消等特別相談窓口」を設置することを発表した。
また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、電話での相談も行う予定である。
新型コロナウイルス感染症に係る雇用維持等に対する配慮についての要請
厚生労働省は4月14日、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況を踏まえ、関係大臣と共に関係事業者団体に対し、新型コロナウイルス感染症に係る雇用維持等に対する配慮について要請することを公表した。
急激な事業変動の影響を受けやすい有期契約労働者、パートタイム労働者及び派遣労働者並びに新卒の内定者の方々等の雇用維持等に関して適切な配慮を行うよう求めるものであり、雇用調整助成金の特例措置等を活用し従業員の雇用維持に努めること、解雇・雇止めや安易な労働者派遣契約の解除等は控えること、労働者が休みやすい環境の整備を行うこと、妊娠中の女性労働者や高齢者、基礎疾患を有する方々に十分な配慮すること等が盛り込まれている。
妊娠中の女性労働者等への配慮について経済団体及び労働団体へ要請
厚生労働省は4月15日、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた妊娠中の女性労働者等への配慮について、経済団体(日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会)及び労働団体(日本労働組合総連合会)へ直接要請を行うことを公表した。
今回の要請は、令和2年4月1日に厚生労働省から各団体に要請した「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた妊娠中の女性労働者等への配慮について」の内容に加え、企業の方向けのリーフレットも活用し、妊娠中の女性労働者等に配慮した休みやすい環境整備、テレワークや時差通勤の活用促進等について、各企業における取組が促進されるよう改めて協力を求めることを目的としたものである。
緊急事態宣言時に事業継続が求められる事業で働く方々等の感染予防、健康管理の強化について、経済団体などに協力依頼
厚生労働省は4月17日、「新型コロナウィルス感染症対策の基本的対策方針(4月16日改正)」を受けて、労使団体や業種別事業主団体に対して、緊急事態宣言時に事業の継続が求められる事業で働く方々等の感染予防、健康管理の強化について、傘下団体などに向けた周知の協力を依頼した。
依頼内容としては、在宅勤務及びテレワークを最大限活用し最小限の出勤に抑制すること、交代勤務の実施や時差出勤の導入、出張による移動を減らしテレビ会議を活用する等が挙げられる。
G20臨時労働雇用大臣会合の開催
厚生労働省は4月24日、G20臨時労働雇用大臣会合がビデオ会議にて開催されたことを発表した。
今回の会合では、COVID-19感染症が労働市場に与える影響とその効果的な対応をテーマとして、各国内の取組や国際協力について意見交換を行った。
厚生労働大臣は、国の取組として、1.雇用を守るという観点から雇用調整助成金の拡充、2.事業活動を守るという観点から中小企業や個人事業主向けの給付金の創設、3.国民の生活を守るという観点から全ての個人に対する10万円の給付金の創設などの緊急経済対策について紹介するとともに、多くの国で失業者の増加や賃金の減少などの雇用不安が急速に高まっている中、強い影響力を持つG20が、世界をリードしていくことが重要であると述べ、雇用と生活を守るための施策を力強く推進し、互いの経験を共有し合いながら、共通の脅威に立ち向かうことを呼びかけた。
G20労働雇用大臣は、協力して、労働市場、社会及び経済全体に対する新型コロナウイルスの影響を緩和するための効果的な措置を共有、考案、実行していく。
<連合東京>新型コロナウイルス感染防止と経済・雇用問題を東京都に緊急要請
連合東京は4月9日、緊急事態宣言を受けて、「新型コロナウイルスの感染防止と経済・雇用に関する緊急要請について」を東京都知事宛に提出したことを発表した。
休業要請は、国を含めて補償の問題をお願いしたい。小池知事が新型コロナウイルスの感染拡大対策で都民の命を守るというが、雇用も生命に係わるため、是非対応をいただきたいと訴えた。
<東京地評>新型コロナ感染症についての雇用・就業対策緊急要請(第二次)
東京地評は4月30日、東京都産業労働局に対して新型コロナウイルス感染症についての雇用・就業対策緊急要請(第二次)を行ったことを公表した。
解雇、雇い止め、減給、生活難の相談が急増するなか、労働者・フリーランスへの支援の強化や期間延長、雇調金立替払い、医療機関や医療従事者への支援拡充など、都独自の手立てを早急にすすめることを求め、生命・健康と生活の両方を守るために東京都と引き続き意見交換、情報共有をすすめることを確認しあった。
2 主要労働統計
※( )内は前月
労働力状態<全国・3月>
資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」
労働力人口 | 6,876万人 ( 6,850万人 ) |
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就業者数 |
6,700万人 ( 6,691万人 ) 前年同月比13万人の増加。 |
完全失業者数 | 176万人 ( 159万人 ) 前年同月比2万人の増加。 |
完全失業率【季節調整値】 | 2.5% ( 2.4% ) |
労働市場<東京都・3月>
資料出所:東京労働局「職業安定業務統計」
月間有効求職者数 | 116,056人 ( 112,743人 ) |
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月間有効求人者数 | 200,157人 ( 207,359人 ) |
有効求人倍率【季節調整値】 | 1.87倍 (1.96倍 ) <全国:1.39倍(1.45倍)> |
*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。
一般労働者月間賃金・労働時間<東京都・2月・規模5人以上>
資料出所:東京都総務局「毎月勤労統計調査」
現金給与総額 | 338,021円(344,111円 ) |
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定期給与 | 326,077円( 325,214円 ) |
特別給与 | 11,944円( 18,897円 ) |
総実労働時間数 | 132.7時間 (130.8時間 ) |
所定内労働時間数 | 121.5時間 (119.9時間 ) |
所定外労働時間数 | 11.2時間 ( 10.9時間 ) |
倒産状況<東京都・3月>
資料出所:東京商工リサーチ
件数 | 146件 ( 128件 ) <全国:740件(651件)> |
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負債総額 | 30,777百万円 ( 21,831百万円 ) <全国:105,949百万円(71,283百万円)> |
倒産件数は、146件(前年同月比15.0%増)と、2か月連続で前年同月を上回った。負債総額は、307億7,700万円(前年同月比106.6%増)となった。負債額10億円以上の倒産は7件(前年同月2件)となった。業種別件数ではサービス業(28件)、卸売業(25件)、情報通信業(23件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のしわ寄せ・売掛金等回収難)は130件となり、倒産件数における構成比は89.0%となった。倒産企業総従業員数は546人となり、前年同月の569人と比べ4.0%減となった。
お問い合わせ
- 雇用就業部労働環境課
- 電話:03-5320-4654