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朔月の取組み 東京都中央区銀座3-3-14 銀座グランディアII 9階
障害のある方も安心して楽しめる飲食店を
ハードもソフトも
バリアフリーの店舗づくりを目指して
銀座の一等地に店舗を構える和食鉄板「朔月」は、障害のあるご家族とともに暮らす社長の経験から生まれた「誰もが安心して食事が出来る飲食店を」という想いにより、バリアフリーの飲食店として開業しました。具体的な取組みについて、 常務取締役料理長の大網幸治氏にお話を伺いました。
店名に込められた想い
社長のお子さんはダウン症です。心臓にも疾患があり、長く生きられないのではないかと言われていましたが、幸い手術が成功して今も元気に過ごしています。その子の名前が朔哉(さくや)君で、そこから「朔」の一文字をとって店名にしています。「月」は新月に由来していて、影を作らない、障害のある方にも分けへだてなく、といった意味が込められています。そのコンセプトから、店舗内の照明はスポットライトにして影が出来ないようにしています。
また、新月はこれから満ちてくる状態であることから、「これから良くなっていくだけ」という意味も込められています。朔哉君もお店もこれから良くなっていくだけ、という社長の想いが詰まった名前です。
社長はお子さんに障害があるために、家族団らんで、安心して食事をできるお店がないと感じていました。他にも障害のある方のご家族から同様の話を聞いており、「ないのであれば自分で作ろう」ということで開業したと聞いています。
どなたでも楽しく飲食できる工夫
当店のカウンターは電動車椅子のレバーを折れば入れるよう、少し高くしています。また、奥行きも通常より深くしています。テーブルは脚の長さが変えられるようになっていて、特注の部品を使用することで高くなり、車いすのままでも入るようになっています。テーブル等の高さについては、社長が全ての車いすが入るようにきちんと調べて発注していました。
来店されるのは足が不自由な方だけではありませんので、車椅子利用の方だけでなく、身体が不自由な方向けに、フォークやスプーンも用意しています。フォーク、スプーンの頭の角度が変えられるようになっているので、身体が不自由で力が入りにくい方でも食べやすいようになっており、これまでも何度か使っていただいています。
トイレは車椅子の方だけでなく、健常者も利用しています。オストメイト対応もあり、時折ご利用いただいているようです。ベビーカーも入れますので、乳幼児連れの方が多くご利用しています。
オストメイト対応のためにトイレに鏡を付けるなど、店を作る際には何が必要かを様々に考えて工夫しました。障害のある方はもちろんですが、「全てのお客様に差別無く」を基本の考え方にしています。万が一、差別をするようなお客様がいらっしゃった場合にはその方にお帰りいただくという考え方です。
障害のある方がトイレを利用されるときはスタッフがサポートするようにしています。
満席以外は断らない、自然なバリアフリーを
スタッフは全15名、ホールはランチが2名、ディナーが3名、キッチンが常に3名で運営しています。
バリアフリーについての環境が整っているので、勤めているうちに自然と対応出来るようになっていると思います。特別にバリアフリーに関する指示を出しているわけではありません。マニュアルはありませんが、お客様をよく見て、何が必要か感じて動くようにと指導しています。お客様が求めているモノを察するという点では普通のサービスと同じだと思います。常にお客様の要望に合わせてできることをするのが当たり前だと思っていますので、基本的に満席以外の理由ではお断りしません。
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