公園財団の取組み 東京都新宿区西新宿2-11

市民に喜ばれる安全で快適な公園づくりを目指して

公園財団は現在全国17カ所の国営公園の管理運営業務をはじめ、32カ所の公園を管理運営しながら、市民の心身の健全な発達及び環境の保全に寄与すること並びに地域社会へ貢献することを目的として活動しています。公園財団の取組みについて、一般財団法人公園財団 新宿中央公園管理事務所の木場進一郎さんにお話をお伺いしました。

「アクセシブル・ツーリズム推進セミナー」を利用し、車椅子体験を実施

2021年に東京都の「アクセシブル・ツーリズム推進セミナー」を利用し、車椅子利用体験研修を実施しました。もともと組織としてユニバーサルデザインに対しての関心は深く、どのような方にも公園を楽しんでもらうにはどうしたら良いかを常日頃から考えていました。東京都の派遣型の研修プランがあることは以前から知っていましたが、コロナ禍の影響から延期を余儀なくされており、今回ようやく体験型の研修を申し込み実施することが出来ました。

当日の研修は新宿中央公園で4人一組の3グループに分かれて車椅子に乗る人と介助する人というように役割を交替しながら公園内を移動する研修を行いました。
実際に車椅子で園内を移動すると、段差や坂道(スロープ)、お手洗いや自販機での購入など、車椅子利用者の目線から見た様々なことに気づかされました。車椅子使用には基本的なポイントを押さえておかないと危険を伴います。例えば、後輪を段差につけず、車椅子を持ち上げると、前輪が動いてしまい、転倒事故にもつながってしまいます。実際に研修中にも僅か1センチの段差をそのまま進もうとして前のめりになってしまう場面があったり、緩やかな坂道でも傾斜や勾配によっては真っ直ぐに進むことが難しい道もありました。また、バリアフリーのお手洗いでは、入口の扉が自動で締まるため、扉を押さえておく人がいなければ、車椅子の方には不便である点や、園内設置の自販機では車椅子を利用していると一番上の商品ボタンを押すことはできないなど、普段では気付かないことも多くありました。

車椅子での移動体験後は座学での研修を行いました。園内移動の途中途中で写真を撮っておき、そこで気になった所や不便な箇所などの情報をお互いのグループで共有し意見を出し合う形の研修にしました。当日の派遣講師の方からは、車椅子利用者向けのお勧め公園周遊コースを予め作ってご案内できるようにしておくこと、また、公園内だけではなく、公園に訪れるまでのバリアフリー情報の発信が重要であることについてアドバイスをいただきました。最寄り駅から公園までどのような経路で来ることが出来るのかといったことも非常に重要であることを認識しました。現状の課題をスタッフ全員で共有し確認できたことは、この研修の大きな成果だったと思います。

全ての方に、公園を楽しんでもらうために

今回は車椅子の利用体験を中心に行いましたが、全ての方に公園を楽しんでもらいたいという思いがあります。小さなお子様連れの方、妊婦の方、目や耳に障害をお持ちの方、日本語が分からない外国の方にとっても日本の公園が憩いの場になるよう日々考えています。

公園事務所には筆談ボードを用意しており、必要に応じていつでも使用できるようにしています。また、外国の方への取組みとしては、英語・中国語・韓国語の園内地図を用意しており、園内放送も4ヶ国語で放送しています。英語でご案内ができるスタッフもおり、実際に公園を訪れた外国の方とコミュニケーションをとっています。

今年の秋頃には「インクルーシブ遊具」が設置される予定です。インクルーシブ遊具とは、体に障害がある子も、ない子も一緒になって遊ぶことができる遊具のことです。
この遊具の導入を機会に、公園が楽しい遊び場であると共に、みんなが一緒に成長し合える場となるようにスタッフ一同サポートしていきたいと考えています。

「おもてなしの心」によるお客様サービス

私たち公園財団は、「おもてなしの心」を大切にしています。今回のような研修等を通じて、引き続きスタッフのホスピタリティ向上の取組みを進めていきます。「心のバリアフリーの実践」のため、接遇インストラクターによる研修や、身体の不自由な方を対象としたホスピタリティ研修等の実施とともに、サービス介助士やサービス接遇検定資格の取得を推進し、日々の業務に生かしていきたいと考えています。

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