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トミージーワールドの取組み 東京都小笠原村父島字清瀬二見台都住1-304

小笠原は車いすでも行かれるのか?

「一生に一度は行きたいところ」として名前が上がる、都心から1000km離れた小笠原諸島。島への交通手段は、1週間に1便、片道24時間かかる船のみで、一度、小笠原に行くと6日間は滞在することになり、一般の人にもハードルが高い場所です。しかし、そこはボニンブルーと言われる海の青さに白いサンゴ礁、小笠原特有の生物・植物など東京都でありながら、都会の喧騒とは全く違う顔を持つ魅力に溢れた場所です。そんな自然溢れる小笠原に誰でも来て欲しいと、下肢に不自由がある方でも乗りやすい車両を導入し、父島のガイドをしているトミージーワールドの代表 富田浩生さんにお話しを伺いました。

小笠原に憧れて移住

出身は北九州です。千葉で過ごし、20代の頃に暖かい所に住みたいという思いと、趣味のサーフィンもできるということで父島に来ました。半年、アルバイトをして父島で過ごし内地へ戻り働いたのですが、小笠原の青い海が夢にも出てきて、「小笠原へ戻りたい」という思いが日に日に増しました。20年前に小笠原に移住し、皆さまに小笠原の自然を楽しんでいただきたいとガイド業のお手伝いを始めました。
2017年の秋に独立し、トミージーワールドとして現在は一人で島内を案内しています。

リフトアップ車との出会い

起業にあたり、ガイドとしては後進であったこともあり、何か特化したことをやりたいと考えていました。車の買い替えを考えていた時、どこでもカヤックが楽しめるように積めるような大型の車を思い描いていたのですが、妻がネットで助手席が横にスライドして下肢に不自由な方でも移乗しやすいリフトアップ車を見つけました。それを見た瞬間、「これだ!」と閃き即決でした。以前は、軽自動車で案内していたのですが、「乗り降りがしやすくて楽」と高齢の方から言われたことを思い出しました。この島の魅力は誰にでも見ていただきたい、特に「小笠原には行きたくても体が不自由でいくことができない」と諦めている方にこそ島に来ていただき、自然に癒されてもらいたいという強い思いがあったので、「この車なら足が弱い方でも案内できる」と涙が溢れてきました。

世界遺産を堪能して欲しいけれど、自然とバリアフリー化のバランスに悩む

この車両を導入して1年ですが、車いす利用の方をご案内したのは3回です。皆様、ネットで見つけて問い合わせた、とのことです。おがさわら丸はバリアフリー対応になっているという情報はあるけれど、父島内のバリアフリーの状況についてはあまり情報が見つからないというお声がありました。確かに、おがさわら丸には乗れるけれど、島で楽しめないのではお客様もいらっしゃいません。宿泊施設や飲食店、観光地もバリアフリーで行かれるところが増えていくのが理想ですが、自然景勝地も多く、またバリアフリーという考えがまだない時代に作られた施設も多いので、致し方ない部分もあります。ですが、「行きたい」と思うお客様に行かれるかどうかを判断していただく材料は提供すべきと思い、ご案内したお客様には許可をいただき、ブログなどで様子を発信しています。

東京都アクセシブル・ツーリズム推進事業が大きな転換になることを期待

2019年度の東京都相談員派遣事業に応募しました。相談員と一緒に島を周って、改めて気付いたことが多くありました。今まで違和感なく使っていた駐車場も、車いすの方だと降りづらく、どうしてこの位置に作ってしまったのだろう、と「障害の社会モデル」について実感しました。11月には小笠原で東京都アクセシブル・ツーリズムのセミナーの開催もあり、同じ時期に東京都宿泊施設バリアフリー化促進に関するアドバイザーも来島し、宿泊施設のバリアフリー化について検討している宿も出ているということで、小笠原にもアクセシブル・ツーリズムの大きな波が来るのではないかと期待しています。
私も日々、お客様とのコミュニケーションを大切にし、「小笠原はあきらめていたけど、来てよかった」と笑顔になっていただけるよう邁進していきます。是非、世界自然遺産の小笠原にいらしてください。

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