自動販売機で“ちいさなマルシェ”を創出。
「メイドイン太田」をキーワードに市内事業者を市民団体がサポート

公開日:2020/12/23

自動販売機で“ちいさなマルシェ”を創出。
「メイドイン太田」をキーワードに市内事業者を市民団体がサポート

OTA CITY MARKET 実行委員会(群馬県太田市)は、シティープロモーションの一環として、マルシェなどのマーケットイベントを開催する市民団体。「メイドイン太田」の資源を収集し太田市の新たな魅力や今までにないブランド価値を創出している。今回、コロナ禍で生み出だされた“自動販売機型マルシェ”という新たな販売スタイルの可能性とは。

コロナ禍にマッチした新たなアイデアが必要だった。

太田市には、大手自動車メーカーの工場があることから、出張で来るビジネスマンや労働者が多く、市内の需要はこうした県外からの来訪者にも支えられていた。緊急事態宣言以降、テレワークの定着などにより街は閑散とした状態が続き、さらに地元住民に自粛ムードが高まったこともあり、飲食店をはじめとする市内事業者から悲鳴の声があがった。2020年4月に開催予定だったマルシェが中止に追い込まれるなど、しばらくの間は多くの人を集めるイベントは開催できそうになく、現状を打破するための新しいアイデアが必要だった。

自動販売機で“ちいさなマルシェ”を創出。
「メイドイン太田」をキーワードに市内事業者を市民団体がサポート コロナ禍にマッチした新たなアイデアが必要だった。

ターゲットを絞り「自動販売機」を導入。 無人の小さなマルシェを実現。

OTA CITY MARKETの委員長・金子氏と、同団体の発起人である山鹿(やまが)氏は、何度も打ち合わせを重ねながら「マルシェで販売している物産品を自動販売機で売ったら面白いかもしれない。」というアイデアにたどりついた。元々、ターゲットは県外からの来訪者やマルシェを訪れる地元住民などであるため、集客について画策する必要はなく、人通りの多い場所に自動販売機を設置すれば多くの人に利用してもらえるのではないか。すぐに地元の自動販売機のメンテナンスを扱う会社に相談し、協力を依頼した。外観やPOPメニューなどのデザインはアパレルメーカーを本業とする山鹿氏が担当することで極力経費を削減する一方、単なる自動販売機ではなく「洗練されたイメージで商品のブランド価値が高まるような自動販売機」をコンセプトにデザインを制作した。

自動販売機で“ちいさなマルシェ”を創出。
「メイドイン太田」をキーワードに市内事業者を市民団体がサポート ターゲットを絞り「自動販売機」を導入。
無人の小さなマルシェを実現。

行政とも連携しスムーズに販売を開始

企画が固まり、参画事業者も決まり始めた段階で、費用の調達や設置場所の確保へ動き出した。自動販売機を設置するために相談を持ち掛けた先は太田市役所。これまでも、一緒にマルシェを開催し成功を収めるなど、元々信頼関係を築けていたこともあり、話はスムーズに進んだ。予算や設置場所の確保など、市民団体だけではクリアできない部分のサポートを受け、東武鉄道太田駅構内や市役所内に自動販売機を設置し、販売を開始した。

自動販売機で“ちいさなマルシェ”を創出。
「メイドイン太田」をキーワードに市内事業者を市民団体がサポート 行政とも連携しスムーズに販売を開始

ターゲットを明確にし、求められる商品を。

人気店が一堂に会した“ちいさなマルシェ(自動販売機)”は、すぐに注目を集め、話題を呼んだ。駅構内に設置した自動販売機は、市外からの来訪者を意識して「メイドイン太田」のお土産などをラインナップ。一方、市役所内に設置した自動販売機は市民を対象にすることから、太田市内の人気菓子店の和菓子やスイーツを販売。それぞれターゲットを明確にし、利用者が求める商品を選択することで、どちらもすぐに街に定着した。ちなみに、市役所に設置した自動販売機の売上は、一般的な自動販売機の約10倍ほどの数字。各事業者から喜びの声があがった。

自動販売機で“ちいさなマルシェ”を創出。
「メイドイン太田」をキーワードに市内事業者を市民団体がサポート ターゲットを明確にし、求められる商品を。

市民団体としての自主的な取組が成功のカギ。

「非接触による販売はもちろんのこと、不要不急の外出を控えることが叫ばれる世の中で、駅や市役所など公共の場で人気商品が買えるというのが良かったのかもしれません。」という金子氏。完全非接触を実現したこの販売スタイルは、コロナ禍にマッチした有効な販売方法だ。
また、山鹿氏は「案が浮かんだら、まず自分たちで出来るところまで行動してみることが大切。行政に頼ってばかりでは物事が前に進みません。」と語るように、市民団体としての自主性を成功のポイントに挙げる。
さらに「地方の人は、この街には何もないという人も多いですが、何もない街なんてまずない。いちばんの地域資源は、人。金子さんや山鹿さんのような方たちは地域の大きな魅力。行政としては、そういう方々と連携し、良い関係性を築くことが大切。黒子に徹しながら、街のために頑張ってくれる方たちを応援していくのがとても重要だと思います。」と太田市役所企画部広報課の河田氏は語る。
市民団体と行政がタッグを組んだ“ちいさなマルシェ”。今後の活動にも注目したい。

自動販売機で“ちいさなマルシェ”を創出。
「メイドイン太田」をキーワードに市内事業者を市民団体がサポート 市民団体としての自主的な取組が成功のカギ。