お客様が来店できないピンチをチャンスに!新たな接客スタイルで新たな満足を提供

公開日:2020/12/23

お客様が来店できないピンチをチャンスに!新たな接客スタイルで新たな満足を提供

2016年、食事処「ゑびや大食堂」に併設する土産物店としてオープンした「ゑびや商店」(三重県伊勢市)。伊勢の名産品や伝統工芸品をアレンジしたオリジナル商品を販売する人気店として観光客や地元のお客様に愛されてきた。そんな同店が、新型コロナウイルスの拡大というピンチを乗り越えるべく構築した、新しい生活様式に合わせた接客スタイルとは。

目の前に拡がるのは、今までに見たことも無い閑散とした景色

国内だけでなく、海外からの観光客にも支えられてきた「ゑびや商店」。新型コロナウイルス拡大後は、来店者数・売上が目に見えて激減した。特に緊急事態宣言中は、店内はもちろん、普段は多くの人で賑わっているおはらい町・おかげ横丁(商店街)にも、数えるほどしか人影は見られなかった。併設する食堂も含めて100年以上の歴史を持つ同店にとっても初めて見る景色だった。

お客様が来店できないピンチをチャンスに!新たな接客スタイルで新たな満足を提供 目の前に拡がるのは、今までに見たことも無い閑散とした景色

リアルが無理ならリモートで。新時代の接客スタイルの構築

2020年4月の緊急事態宣言を受け、同店でも営業自粛を決断。その間も従業員たちはリモート会議を繰り返し、コロナ禍を乗り越える為の意見交換を行った。まず、最優先に考えたのが「お客様の安全」。そして、一対一でじっくりと「信頼関係を築ける接客」。その中で生まれたアイディアが「WEB来店」だった。
既存のWEB会議システムなどを活用することで「疑似的な伊勢旅行・お買い物をお客様に楽しんでいただけるのではないか。」と考えた。既存のWEB会議・テレビ電話システムを利用したこともあり、具体的な案が固まってからはわずか2週間で告知等の準備を進めた。さらに2週間のシミュレーション期間を経て、2020年5月20日には「WEB来店」サービスをスタートした。

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“お客様目線”でサービス内容をブラッシュアップ。商店街内での“おつかい”も導入

システムの導入に際しては、アプリのダウンロードなど利用する上での特別な準備は不要とし、できるだけ簡単に利用いただけるように配慮した。お客様から予約をいただいたら、店側から専用のURLを送付。利用者はそのURLをクリックするだけで「WEB来店」を利用できる。接客ではお客様の希望や要望を細かにヒアリングし、“お客様目線”の接客を心掛けた。「ひと通りの商品を見せてほしい。」「気になっていた商品の詳細が知りたい。」など、お客様一人ひとりの要望に沿ったマンツーマンの接客を行い、十分な時間と空間を確保できることは「WEB来店」の大きな魅力だ。さらに、“おつかい”サービスも導入しおかげ横丁・おはらい町内の商品を購入可能としたところ、こちらも好評。通常の商品の代金に送料、手数料880円(おつかい代行手数料550円・代引手数料330円)をプラスすることで、おかげ横丁・おはらい町内の商品の買い物を代行して自宅などに送ってくれるのだ。「ゑびや商店だけではなく、伊勢全体の魅力をできる限り感じてほしい。」そんな従業員のアイディアから生まれたサービスだった。

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コロナ禍だからこそ気づけた新たな出会いも

想定していたターゲット以外の需要を発見できたことも大きな収穫だった。愛知県内にある老人ホームから入居者に向けた「WEB来店」の依頼があり、話を聞いたところ、コロナの影響以外でも様々な要因で「伊勢に来くることができない方々」が多くいるということがわかった。コロナがきっかけとなり始めたサービスだったが、より多くの人に喜んでいただけるサービスだということを実感した瞬間だった。「お伊勢さんの方にも行ってもらえませんか?」というお客様の何気ないひと言から伊勢神宮内宮宇治橋前の鳥居までの“おつかい”も提供。従業員が写す鳥居の映像を見ながら手を合わせるお客様の姿を見て「伊勢神宮」は多くの人にとって、特別な存在であるということを再確認した。後日、老人ホームの方から「コロナ禍での自粛の生活の中で、伊勢神宮のお参り、買い物は夢のような出来事でした。今のお年寄りはお金があっても買い物はできないし、行きたいところも見つからない状況です。早速「次はいつ?」という声が上がっています。」という嬉しいメッセージも届いた。

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WEBサービスを活用すれば、最低限のコストで多くの可能性が拡がる

「低コストで導入できるのも、WEB来店の大きな強みだと思います。」そう語るのは、有限会社ゑびや経営企画室の堀口氏。WEB会議・テレビ電話ツールは無料で利用できるものも多く、お客様への周知・宣伝もSNSなどを活用することでコストを最小限に抑えられる。カメラ付きのスマートフォンとイヤホンマイク、撮影の手ブレを抑えるスタビライザーなどが準備できれば、すぐにでもサービスを開始することが可能だ。

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この経験を糧に伊勢に還元したい

「WEB来店」を導入して感じたのは、お客様が「商品」だけではなく土地の雰囲気や風情も求めているということ。今後は、「WEB来店」で得た発見を、ゑびや商店だけではなく、おはらい町・おかげ横丁を含めた伊勢全体を盛り上げていくヒントにできれば、と考えている。伊勢の魅力を日本全国に届ける、ゑびや商店の挑戦はまだ始まったばかりだ。

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