石川県小松市内をバスでめぐるリモート観光実施! コロナ禍で6万7000人のファンを獲得!

公開日:2021/1/29

石川県小松市内をバスでめぐるリモート観光実施! コロナ禍で6万7000人のファンを獲得!

株式会社ドワンゴ(東京都中央区)がコロナ禍の中で観光地をバスでめぐり、その模様を同社のニコニコ生放送上で配信するという「リモート観光」を実施したのは緊急事態宣言下の5月のこと。今回は、企画発案者である野口氏に取り組みの背景等について伺った。

「甚大なダメージを負った旅行業界を応援したい」という思いから、企画をスタート

ドワンゴはニコニコ動画など多彩なデジタルコンテンツ・サービスを展開するインターネットの総合エンタテインメント企業。野口裕太郎氏は同社でオウンドメディア部門のリーダーを務めている。会社自体はコロナ禍で大きなダメージを負ったわけではなかったが、その分、「エンタメ企業として、こんな時だからこそできる社会貢献がある。」という使命感にも駆られていた野口氏。熟考の末に生まれてきたのが、自身の“旅行好き”を活かしたリモート観光だった。

石川県小松市内をバスでめぐるリモート観光実施! コロナ禍で6万7000人のファンを獲得! 「甚大なダメージを負った旅行業界を応援したい」という思いから、企画をスタート

1台のバスに最大6名。万全の感染対策のもと、リモート配信を実施

感染拡大のリスクを避けるため、リモート配信は最小限の人員で行っている。ドワンゴからはプロデューサーの野口氏とディレクターの2名のみ。バスガイド、ドライバー、カメラマン、音声などの他スタッフはすべて現地で手配している。撮影中もバス内の窓を全部開放して換気を実施。初回の東京観光に至っては、屋根のないオープントップバスを利用するなど徹底した。初めての試みのため当初はどうなるか半信半疑だったが、当日の視聴者は延べ1万6,000名超。放送中の書き込みも好意的なものが多く、放送終了後に行うアンケート結果も良好だった。手ごたえを得た野口氏は次いで、神奈川、沖縄、北海道など続けて企画した。

石川県小松市内をバスでめぐるリモート観光実施! コロナ禍で6万7000人のファンを獲得! 1台のバスに最大6名。万全の感染対策のもと、リモート配信を実施

400万人の交流人口を失った観光地・小松市から「うちを取り上げてほしい」と依頼が…

伝統芸能「子供歌舞伎」などで知られる観光地、石川県小松市から「リモート観光の舞台に取り上げてほしい」という依頼が野口氏のもとに寄せられたのは10月初旬。かつては観光客を含め、市外から年間400万人の交流人口を得ていた小松市だが、コロナの影響で人波が途絶えてしまっていた。従来のリアルバスツアーの運行ルートを踏まえつつ、独自のルートを作成。事前にドローン空撮による素材も用意して、当日の生放送中に差し込むなど、これまでにない構想も練った。生放送には延べ6万7000人が参加。視聴後のアンケートで「とても良かった」が9割以上を占める圧倒的な高評価を獲得した。

石川県小松市内をバスでめぐるリモート観光実施! コロナ禍で6万7000人のファンを獲得! 400万人の交流人口を失った観光地・小松市から「うちを取り上げてほしい」と依頼が…

今後も各地の観光名所を取り上げ、現地を勇気づけていきたい

小松市のリモート配信を通じて、「日本にはまだ知られていない魅力的な名所がたくさんあるのを実感した。」と言う野口氏。第二波、第三波と続き、未だ終息の気配が見えず、どこの観光地も「来てください」とは言えない状況だが「自分達にできることを今後も続けていきたい。」と語る。今後は自ら企画する以外に、小松市のように地方自治体や旅行会社、観光地の依頼を受けることも考えており、既にいくつか具体的な企画も進行中。また、観光以外にも、2021年は東日本大震災から10年目の節目の年ということで「被災地のリアルを広く知ってもらうために何かできることはないか。」という思いから、福島や仙台へリモートバスツアーも検討していると言う。

石川県小松市内をバスでめぐるリモート観光実施! コロナ禍で6万7000人のファンを獲得! 今後も各地の観光名所を取り上げ、現地を勇気づけていきたい

「新しいファン層の掘り起こし」のための先進的事例として、全国各自治体や観光地で応用可能

今回、小松市側でリモート観光を主導した橋氏(にぎわい交流部観光文化課)は「今まで磨き上げてきた観光資源や文化財が評価してもらえた」と喜びの声を上げる。その一方、「PRが不十分なだけで、日本全国には素晴らしい観光資源がたくさんある。」と地域活性化の必要性を指摘。実際、今回のリモート観光の視聴者の7割弱が「小松市を訪れたことのない」人だったにも関わらず、9割強が「とても良かった」と高評価をしたことを考えれば、リモート観光は新たなファン層の開拓の大きな可能性を秘める。小松市でも今後、観光に限らず、「ものづくり」の現場を名産品と合わせて配信するなど「形式にとらわれずにPRに取り組んでいきたい。」と語った。

石川県小松市内をバスでめぐるリモート観光実施! コロナ禍で6万7000人のファンを獲得! 「新しいファン層の掘り起こし」のための先進的事例として、全国各自治体や観光地で応用可能