オンラインZoomストアをいち早く導入することで、コロナ禍においても新規顧客数アップ

公開日:2020/10/30

オンラインZoomストアをいち早く導入することで、コロナ禍においても新規顧客数アップ

1958年にタオルの街である愛媛県今治市で創業し、「最大限の安全と最小限の環境負荷」をモットーに商品を展開するテキスタイルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」(東京都港区)。メイン商材であるタオルは、購入する際「直接手で触れて選びたい」と多くの人が考えるアイテム。そのハードルを乗り越え、オンラインでの接客で好調な実績を上げる同社にその取組を伺った。

京都と南青山のショップを休業。お客様との直接のコミュニケーションが不可能に

今治の本社を中心に京都と東京・南青山にもショップを持つIKEUCHI ORGANIC。3月頃からの新型コロナウイルスの影響により、外出を自粛したお客様からのダイレクトメールでの問い合わせやオンラインストアの利用が増えていった。手探り状態で営業をつづけるも感染拡大は留まるところを知らず、緊急事態宣言を受け4月上旬に東京店と京都店を休業。すべてのスタッフが何よりも大切にしてきた“お客様と接する機会”を喪失することになった。

オンラインZoomストアをいち早く導入することで、コロナ禍においても新規顧客数アップ 京都と南青山のショップを休業。お客様との直接のコミュニケーションが不可能に

ミーティングで使用していたZoomを使ったサービスの開始を提案

オンラインストアでお買い物はしていただけるものの、新規のお客様には商品の魅力についてきちんとご説明をしたい。そして何よりもお客様にお会いしたい──。休業を余儀なくされる中、益田氏(同社のリテールストアマネージャー兼タオルソムリエ)の中で、その想いがどんどん大きくなっていった。そこで会社に提案したのが、Web会議ツール「Zoom」を利用したサービスの開始。店舗間でのミーティングなどで導入していたZoomを、オンラインでの接客に活かすことはできないか、と考えたのだ。「他と同じことをしない」「走りながら考える」と、もともとアグレッシブな企業体質もあり、休業からわずか2週間後の4月25日に初めてのZoomストアを開催した。

オンラインZoomストアをいち早く導入することで、コロナ禍においても新規顧客数アップ ミーティングで使用していたZoomを使ったサービスの開始を提案

Zoomストアは“お客様と創り上げた”もうひとつのショップ

ミーティングで使用していたとはいえ、オンラインでの接客は初の試み。そこで初めは、IKEUCHI ORGANICの商品の特徴や接客方法をご理解いただいているリピーターのお客様のみで開催。お客様にアドバイスをいただきながら、サービスや環境をブラッシュアップしていこうと考えたのだ。お客様からの「画面がすこし暗い」という意見を参考にスタンド型のライティングを購入したり、ストレスのない接客サービスを意識したWi-Fi環境の強化や映像の質の向上を目的に新たなパソコンの導入も行った。さらに、実際にショップでお買い物を楽しんでいるような雰囲気を味わってもらうため、店内を移動する際にスマートフォンで撮影・配信しながら歩く工夫も加えた。「Zoomストアはお客様と共に創り上げた、京都・東京・オンラインストアに続く、4つ目のお店だ」と益田氏は語る。

オンラインZoomストアをいち早く導入することで、コロナ禍においても新規顧客数アップ Zoomストアは“お客様と創り上げた”もうひとつのショップ

9割は新規顧客。 対面とは異なる接客で購入率もアップ

オンライン上では空間だけでなく、接客の方法でもこれまでと違う工夫が必要となった。まずは吸水性や速乾性、肌触りの柔らかさやしっかり感でタオルの特徴を分類したマトリクスを使用し、お客様の好みをヒアリング。さらに、理解を深めていただくために資料を画面共有することに加え「シフォンケーキのようなふわっと軽い触り心地」など、よりイメージしやすくなる表現を心がけた。このような工夫によりスムーズな接客が可能となった現在では、約半年間で約90回のZoomストアを開催。9割が新規顧客であり、北海道や沖縄など遠方からの参加も可能になることから、購入率も従来の対面接客よりも高い数字を示しているという。コロナ禍でなければ生まれなかった出会いが、IKEUCHI ORGANICの新しい扉を開いた。

オンラインZoomストアをいち早く導入することで、コロナ禍においても新規顧客数アップ 9割は新規顧客。
対面とは異なる接客で購入率もアップ

高い商品知識とお客様を想った接客が、好循環のスパイラルを生む

Zoomストアで好調な売り上げを維持しながら、オンラインでの工場見学も開催。ご購入者を対象としたタオルのお手入れ講座も予定するなど、ファンの拡大・フォローにも力を注いでいる。成功の裏には、ブランドの魅力を最大限伝えるための高い商品知識と丁寧な接客がお客様のSNS投稿につながり、新たな顧客を生むという“好循環”が存在している。現在はオンライン上での接客技術をより多くのスタッフに身につけてもらうために、益田さんが蓄積してきたノウハウを伝授するOJTを実施。これまで以上にお客様に寄り添ったサービスを提供できる環境づくりを行っている。コロナ禍でしっかりと成果を出すことができたZoomストアの“いろは”については多くの企業からの関心を集めている。成功とできるか否かは、単純な仕組みの模倣ではなく、「“真にお客様のためを想ったサービスを提供できるか”が鍵を握っている」と、益田氏は語る。

オンラインZoomストアをいち早く導入することで、コロナ禍においても新規顧客数アップ 高い商品知識とお客様を想った接客が、好循環のスパイラルを生む