NOAAの取組み 東京都中野区鷺宮3-1-8

あきらめていた方々にも、おしゃれ・コンパクトな電動カートで旅の楽しみを

「いかにも福祉用」を変えたい

介護用ベッドや電動車椅子を商材として扱ってきた株式会社NOAA。2020年5月には小型かつ軽量で、デザイン性豊かな新商品JOYカート(NOAA MOBILE-X)の販売を始めました。障害のある方、ご高齢の方など、実際の利用者の声を聞き取りながら、デザイン・製造・販売の全てを社内で管理し、開発されました。「いかにも福祉用」という既存のイメージを払拭することで、心理的な障壁が下がり、旅にも出やすくなります。その取り組みについて、開発を担当された株式会社NOAAの西原基成さんにお話を伺いました。

スーツケースに入る携帯性、誰でも使える操作性、おしゃれなデザイン性

既存のシニア向け電動カートは「いかにもお年寄りが乗るもの」というマイナスイメージが強いです。JOYカートを開発する前の話ですが、私も高齢の母のために他社商品を購入したことがありました。しかし母は周囲から「とうとうそんなものを使う年齢なのね」という視線で見られるのが嫌だったそうで、すぐに乗るのをやめてしまいました。「これはいけないぞ」と思い、私自身が新たに商品を作ろうという発想に至り、のちに開発したのがJOYカートでした。
そんな経緯もあり、デザイン性にはこだわりを持ちました。実際に母以外の使用者からも、街中で使用するにも既存商品では周囲の目が気になってしまうという声が多く聞かれました。そこでJOYカートでは洗練されたメタリックなデザインを採用しました。今では実験で試乗していると、「自分も乗ってみたい」と人が集まってくるようになりました。
また、この商品は操作性にも優れています。ハンドル型で電磁式ブレーキが内蔵されているので初心者の方もすぐに乗りこなすことができ、坂道も13度くらいの勾配は登っていきます。下りも自動ブレーキが働き、安全に運転できます。加えて、車体幅が人幅と変わらないので、一般的な車いすのように通路幅などを気にすることなく通行できます。コンパクトにもかかわらず、車いす認定も受けているので、建物内にも入れますし電車にもそのまま乗車できます。
そして最大の特徴は、その携行性です。小型のリチウムイオン電池と航空機にも使われる軽量の素材をかけあわせ、重さ約20kg、折りたたみ式で小型なので、スーツケースにすっぽり入る車体が実現しました。自動車や新幹線、飛行機にも簡単に積載でき、旅行先で使用することができます。海外から来る方は配送の問題もありますし、電動車椅子の手配も難しいですが、JOYカートならばそういった問題もクリアできると思います。





ラストワンマイルのアクセシブル

ご高齢の方ですと、運転免許証を返納された方や、返納を検討している方も多いです。高齢になると近い距離でも歩くことが辛くなります。また、タクシーなどでショッピングモールに行ったとしても、駐車場から建物の中、あるいは商店街などは歩いていかざるを得ません。このラストワンマイルが辛くて、外出を諦め引きこもっている人が多いと聞きます。
JOYカートなら、畳んでタクシーに積んで、目的地に着いてから約10秒で組み立てて使用できるので、ラストワンマイルを克服することが可能です。外出が快適になると、自分の意思で行きたいところに行ったり、商品を自分で選んで購入したり、また街やお店の人と交流することで、自立し社会とつながりのある生活を送ることができると考えます。こういった、社会生活を続けるということが、健康寿命の延伸にも繋がると思います。

「アクセシブル」な新たな使い方の提案

近年では、JOYカートの新しい使い方として、キャンプ地での利用も提案しています。キャンプ地はサイト内が広く、また、重いキャンプ道具や薪を運ぶことが大変ですが、JOYカートを移動や物を運ぶために使えます。
利用者の反応は好感触で、特にお子さんが「乗ってお手伝いしたい」と積極的に利用を希望してくれます。
このようにレジャーの一環として利用することで、子供たちは福祉道具への偏見を持たずに成長したり、車いすの目線を知ったりできます。また、早いうちから機械に慣れておくことで高齢になっても怖がらずに操作できる、という利点があります。
JOYカートは車いすとしての利用だけでなく、重いものを運ぶ、長距離移動、また車いすに対する偏見などもアクセシブルにできる商品と考えます。
さらに、緊急時の避難にも活躍するのではないかと思います。
今後はさらに、多くの方に知っていただく機会を作るよう、展示会への出展、レンタル事業の具体化、イベントの開催などを積極的に行って、アクセシブル・ツーリズムの推進に少しでも貢献したいです。

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