年間100万人以上が利用している練馬区にある旅行会社グループ「T-LIFEホールディングス株式会社」。バリアフリー旅行については団体旅行を中心に年間約3万人もの取り扱いがある中、2019年には高齢者や障がい者が気兼ねなく旅を楽しめるようにと、専門特化した部署を立ち上げたといいます。旅行業界でも珍しい取り組みの背景には、どのような想いがあったのでしょうか。担当者の安中貴志氏、湯本洋美氏にお話を伺いました。

旅行をあきらめていた方に、もう一度　旅の喜びと感動を

今までは普通に旅行に行くことができていた方でも、ご自身やご家族の介護や介助など何らかの健康的な理由で旅行に行きづらくなってしまった方が大勢いらっしゃいます。旅先での介護や介助、それに対応した交通や宿泊施設の手配を個人で行うことはかなりハードルが高く、またご要望に対応できる知識とノウハウを持った旅行会社も限られているのが現状です。
当社は特別支援学校や福祉園、福祉作業所、高齢者施設など、バリアフリーの分野で2019年度には延べ約30,000人のお客様にご利用いただいております。当社が今まで培ってきた知識とノウハウを活かし、様々な健康上の理由で旅行を断念せざるを得なかった沢山の皆様に再び旅行を楽しんでいただきたい。そういった想いが、アクセシブル・ツーリズムに取り組むきっかけとなりました。

ご自身もご家族も　安心して楽しめる旅を

具体的な取り組みとしては、アクセシブル・ツーリズムに対応した宿泊施設、交通や介助・介護を行う旅行介助士の同行を組み合わせた旅行を企画しています。旅行介助士は、介護の専門知識と添乗員の資格を併せ持つ専任スタッフで、高齢者や要介護の方のお身体の状態にあわせて旅先で必要な介助を行います。

交通の面でも、UDタクシーや介護タクシーでご自宅までお迎えできます。車いすのまま入浴できる浴場を備えた宿泊施設をご用意するなど、介助・介護支援を組み合わせ、ご自身もご家族も安心して楽しめる旅です。事前にお客様から支援が必要な内容や、ご要望をお伺いし、個人のお客様にも団体のお客様にも、専任スタッフがそれぞれに対応し最適な手配をすすめます。

バリアフリー旅行専門サイトを設立～だれもが楽しめる旅の実現へ

交通機関や宿泊施設などアクセシブルに対応した施設は以前と比較するとかなり増えてきました。しかしながら、障がいや介護、介助など支援が必要な内容は個々人により異なり、例えば食事内容であれば、刻み食やペースト食が必要であったり、様々な対応が求められ、すべてに対応できる施設はまだまだ少ない状況です。
また、コロナ禍においては、バリアフリー化が進んだにも関わらず「旅行をしたい」人たちが外出できません。「高齢のご両親と記念旅行に温泉でも」と思っているご家族も旅行をあきらめているのが現状です。

そのような中でも、単純に交通機関と宿泊という「点」でなく、その季節ごとの美しい風景を楽しんでいただいたり、記念日のお祝いなど「旅中」を楽しめる企画もご一緒に提案して参ります。例えば、貸切風呂でご家族ご一緒に温泉を楽しんだり、観劇・スポーツ観戦など、お客様のご要望を伺い、より満足度の高い旅を目指します。

そして何より「安全安心」な旅を心掛けております。お客様により安心して旅行を楽しんでいただけるよう感染予防と3密回避に取り組んでいます。宿泊ホテルや食事場所等は新型コロナウィルス感染予防ガイドラインを順守している施設のみを利用します。 またスタッフ同行の場合、毎日の検温などの健康管理とマスクを着用するなど、様々な旅のシーンでご安心いただけるよう努めています。

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