東京の森林の課題

1.整備が行き届いていない人工林

間伐が遅れた人工林(檜原村)

間伐が遅れた人工林

間伐が適切に行われないと林内が暗くなり、下層植生が少なくなります。
下層植生が少なくなると降雨により土砂が流出しやすくなります。

土壌流出が進んだ人工林(奥多摩町)

土壌流出が進んだ人工林

間伐が適切に行われないと林内が暗くなり、下層植生が少なくなります。
下層植生が少なくなると降雨により土砂が流出しやすくなります。
多摩地域はほとんどの地域が急傾斜地で土壌流出が発生しやすいという特徴があります。

荒廃した人工林(奥多摩町)

荒廃した人工林

適切な森林管理が行われなかったために台風による被害が発生した事例。
被害が大きくなるほど復旧に要する費用が膨大になるので、初期の段階での早期対応が必要です。

2.シカによる林業被害の拡大

平成16年7月、シカの食害により裸地化した林地が、集中豪雨により土砂崩壊を起こし、下流に大きな被害が生じました。都は、平成17年度に「東京都シカ保護管理計画」を策定し、市町村や隣接県などと連携し、管理捕獲をはじめとする総合的なシカ被害対策を進めてきました。

しかし、狩猟従事者の減少や高齢化などが原因で、十分な捕獲頭数に至っていない状態が続いています。以前は奥多摩町内の多摩川より北側が、シカによる林業被害の中心でしたが、多摩地域のシカの分布域が拡大し、現在は植栽木の食害や樹幹の剥皮被害が各所で確認されるようになっています。

シカによるスギ幼齢木の剝皮被害

造林地に現れるシカ

(造林地に設置されたカメラで撮影)