東京の森林・林業の概要について

(1)概況

森林は再生産可能な木材資源を供給するだけでなく、水や大気の循環、二酸化炭素の循環を良好な状態に保つ役割を果たしているなど、循環型社会の基盤として、その機能の維持増進を図っていくことが求められている。
しかし、長期に渡る木材価格の低迷により、林業及び林産業の採算性が著しく低下した結果、伐採及び造林が停滞し、若い森林が極端に少なくなり、高齢林分の増加により、スギ花粉飛散量の増大や二酸化炭素吸収能力の低下が問題となった。そのため、スギ花粉症対策主伐事業を実施した結果、平成18年から26年度末までに249ヘクタールの造林が実施された。また、林道周辺での間伐は進んでいるものの、コストが高い奥山での森林整備がなかなか進まない状況となっている。加えて、シカによる食害や踏み荒らし等による森林被害は、シカ保護管理計画に基づくシカ対策により減少傾向にあるものの、被害は奥多摩町の多摩川北岸だけでなく広範囲に分散している。
また、平成12年の三宅島噴火による災害については、現在もガスの放出が続いており、一部地域で、緑化が困難な状況が続いている。

①高い人工林率

東京都の森林面積は東京都の面積の約4割を占めている。森林の約7割が多摩地域西部に偏在し、その4分の3が私有林である。

流域別森林面積
多摩地域所有態別森林面積

また、多摩地域の民有林では、森林の6割が人工林で、全国(41パーセント)に比し、高い人工林率となっている。

多摩地域
伊豆諸島地域

②偏った林齢構成

林齢構成は、41年生以上(9齢級以上)が約9割を占める一方で、40年生以下(8齢級以下)は約1割にとどまっている。

③造林面積の減少

造林は、昭和35年に年間1,500ヘクタールを超える植栽が行われたが、平成15年には6ヘクタールまで減少し、昭和35年と比較すると250分の1となった。その後、若干の増減で推移しつつ、平成26年は37ヘクタールとなっている。

④木材価格の傾向

日本不動産研究所の調査によると、山元立木価格(1立方㍍当たり)は、平成3年のスギ11,246円、ヒノキ27,990円であった。その後、緩やかな下げ幅で推移したものの、平成10、11年には大きく下落し、平成15年では、それぞれ2,000円と13,000円となり、平成3年と比較してみるとスギは8割、ヒノキは5割以上も下落していた(平成16年次以降の都の山元立木価格が公表されていない。)。

⑤林業従事者の減少、高齢化

国勢調査の結果を見ると、昭和35年には2,000人を超えていた林業従事者も平成17年には203人と激減した。その後、平成22年では380人と増加に転じている。同様に、雇用されて林業に従事している数も平成17年の114人から268人と増加に転じた。
また、林業退職金共済に加入する林業・林産業等従事者は、51歳以上が全体の約6割を占め、平成26年度の平均年齢は55.9歳となっている。

(2)施策の方向

「森づくり推進プラン」について、国の法改正など森林・林業を取り巻く情勢が変化したことから、東京都農林・漁業振興対策審議会からの答申「東京における持続的な森林整備と林業振興について」を踏まえて平成26年3月に改定した。
新しいプランでは、2つの基本的視点と4つの戦略に基づき、都が計画期間内に重点的に取り組む施策を明示した。→詳細は、森づくり推進プランへ

施策の方向

(3)市町村別の森林等概況

(4)東京都の森林・林業の指標

お問い合わせ

森林課企画調整担当
担当直通 :03‐5000‐7196
森林課代表:03‐5320‐4854

PDFファイルをご覧いただくためには「Adobe Acrobat Reader」が必要です。
Adobe Systemsのサイトから無料でダウンロードできますのでご利用ください。

Get Adobe Reader