「伝統ある産業と東京ブランドの持続的発展に向けた提言」をとりまとめました
江戸東京の伝統ある技や老舗の産品に磨きをかけ、その価値と魅力を世界に発信することを通して、東京ブランドの確立や技の継承につなげていくことを目指し、東京都では、平成28年度より「江戸東京きらりプロジェクト」を開始し、有識者による「江戸東京きらりプロジェクト推進委員会」を立ち上げました。
これまで6回にわたる委員会を開催し、伝統ある産業の未来や東京ブランドの進むべき方向性について、様々な角度から意見交換を重ねてまいりました。
今般、委員会として、これまでの議論の結果を「伝統ある産業と東京ブランドの持続的発展に向けた提言」にとりまとめましたのでお知らせします。
提言の概要
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提言Ⅰ 現代のライフスタイルに合わせたものづくり
○ 伝統の技を受け継ぐ職人が、新しいものづくりにチャレンジできる場と機会を増やすことが必要
・ クリエイターのアイデアと伝統技術を掛け合わせる取組や分野横断的なコミュニケーションの場などの充実
○ 海外顧客に向けては、開発段階からマーケティングと外国人の視点を取り入れる
・ サイズ変更の対応には、設備投資支援策との連携を
○ 伝統の技が使われる機会を数多く創る、魅力ある使われ方を提案することも大切
・ お祭りや四季の行事などの場や機会に着目
提言Ⅱ 発信力・認知度の向上
○ 伝統ある産業が飛躍するためには、個々のブランディングの力を高めることが極めて重要
・ 事業者単独では難しい取組を専門家がサポートする体制づくりや、大手企業との積極的な連携が鍵
○ 海外展示会では"商品を売ること"をゴールに定めた、息の長いPR戦略を立てる
・ 海外事業者との連携や継続的なサポートの枠組み
○ 東京を訪れる海外ユーザーやビジネス関係者に向け、東京の宝物をアピールする場も必要
・ コンセプトやストーリーづくりで「江戸東京の宝物」をしっかり伝える
提言Ⅲ 経営資源・資金不足への対応
○ 自治体や関連団体等が用意する経営サポートメニューを十分活用できるよう効果的なアナウンスを
・ 職人や老舗企業に支援策の一層の浸透を図る
○ 資金面では、商品開発のサイクルに即した支援や民間資金調達手法の活用などが必要
・ 概ね3年程度の切れ目ない資金支援の仕組みや、クラウドファンディングの活用へのサポートなど
提言Ⅳ 次代を担う職人の確保と育成
○ 若い世代に対して、職人になることが魅力ある職業として感じられる機会とステップが必要
・ 小中高等学校の教育プログラムの充実や、体験教室等を行う事業者へのインセンティブ
・ 若者へのキャリア形成に必要な情報や先輩職人との交流機会の提供など
○ 数や規模は小さくても、独自の技・一流の技の継承に焦点を当てた支援策に期待
・ 個々の事業者の実情に即した柔軟な支援の仕組み
○ 伝統の技が新しい発想とともに受け継がれていくような、オープンな広がりも考えていくべき
・ 若者や海外人材が伝統を活かしたものづくりに広く参画する機会、大学でのカリキュラム提供など
お問い合わせ
- 産業労働局総務部企画計理課
- 電話:03-5320-4685