田んぼの生きもの調査とは、農林水産省と環境省が連携して平成13年度に開始した水田周辺水域に生息する生物調査です。
「東京都に田んぼがあるの？」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、都内には平成30年現在256haの水田が残っています。そして水田や樹園地、畑等で66の農業用水が今もなお現存しています。
（平成30～令和元年（2018～2019年）関東農林水産統計年報 令和2年3月 農林水産省）

東京都産業労働局農林水産部農業振興課では、東京都農業振興事務所、東京都島しょ水産総合センター、東京都土地改良事業団体連合会の協力の下、調査開始初年度の平成13年度から平成30年度まで、都内の農業用水路を対象に田んぼの生きもの調査を実施しました。
田んぼの生きもの調査の詳細については、（社）地域環境資源センターのホームページをご覧下さい。
（社）地域環境資源センターのホームページはこちら

調査結果

※表中の用水名をクリックすると、各用水のページが開きます。また、地図上の名称をクリックしても同じページが開きます。

※上記地図は用水のおおよその位置を示すもので、用水路線図ではございません。

農業用水路とは

農業用水路とは、作物（主に稲）の栽培に必要なかんがい用水、農機具や収穫物の洗浄用水など農業全般に必要な水を河川より取り入れるための水路のことです。農業用水は江戸時代以前より地域に受け継がれ、利用されています。現在は、農業用のかんがい用水としての機能だけではなく、景観保全や防火用水等様々な機能が期待されています。

環境との調和

農業用水路やため池、水田などは農業生産のための施設であると同時に、さまざまな生きものにとって重要な繁殖生息の場ともなっています。この調査では、環境との調和に配慮した農業農村整備事業の実施のため、生態系の現状を把握するとともに、地域住民の水田の多面的機能の理解醸成を図り、農業水利施設の維持管理への理解・協力を促進しています。

貴重な生態系

この調査では、「東京都の保護上重要な野生生物種」～東京都レッドリスト～（東京都環境局）において絶滅危惧に位置づけられた生物が採捕されています。水田や農業用水路が生物にとって大切な生息環境であることが伺えます。
表は、これまでの生きもの調査で採捕された魚類等で東京都レッドリストに掲載されているものです。地域区分や東京都ランクの概念については、東京都レッドリストをご参照下さい。

※「東京都の保護上重要な野生生物種」（本土部）～東京都レッドリスト～2010年版による。
※区部は調査対象となる農業用水がないため、地域区分からは割愛した。