都市農地活用推進モデル事業

都市農地活用推進モデル事業

 生産緑地地区指定から30年を迎えこれまで以上に生産緑地の減少が懸念された「生産緑地の2022年問題」については、特定生産緑地制度創設による対応がとられたものの、引続き都内生産緑地の減少が懸念されています。そのため、生産緑地の貸借や買取申出された農地の公による買取りを推進し、都市農地の活用と保全を加速する必要があります。

 そこで東京都は、生産緑地の貸借制度を活用し整備した「セミナー農園」(「わくわく都民農園小金井」)、買取申出のあった生産緑地を都が買い取り整備した「インキュベーション農園」により、生産緑地の活用モデルを示す取組を実施しています。

事業概要

1 高齢者活躍に向けたセミナー農園事業

 (1)目的

    生産緑地の貸借制度を活用し「わくわく都民農園小金井」を整備することで、いわゆる「生産緑地の2022年問題」及び団塊の世代が後期高齢者となり超高齢社会を迎えることとなる「2025年問題」の到来に向け、都市農地の保全とともに高齢者の活躍や多世代交流・地域交流の活性化を併せて進める地域モデルの確立を目指す事業です。

 (2)事業スキーム

    本事業は、東京都、(一社)小金井市観光まちおこし協会、生産緑地所有者、小金井市の4者で協定を締結し、協働により実施しています。

 (3)「わくわく都民農園小金井」の概要

   ①所在地

   東京都小金井市本町2-8-6

   ※JR中央線「武蔵小金井駅」徒歩5分

   ②面積

    2,813㎡

   ③施設・設備

  ・シニア農園区画(1,020㎡)

   都内在住の50歳以上の方を対象に栽培知識・技術の習得を目指し、セミナー形式の栽培技術指導を受けながら農作業に取り組むことができる区画です。

  区画数:51区画(1区画当たり20㎡(2m×10m))

      ※うち1区画は、栽培指導員による見本区画

  ・共菜園区画(60㎡)

    農園収穫祭で使用する野菜を栽培する区画です。栽培の過程で近隣保育園や学校のこどもたちを対象に播種や苗植え付け、水やり、収穫などの体験実習を行います。

  ・福祉農園区画(150㎡)

    福祉事業所と連携し、高齢者・障がい者の農作業講習や精神障がい者向けの園芸療法などによる農福連携を図る区画です。

  ・地域農園区画(150㎡)

    地域団体と連携して、農地を活用した多世代・異分野交流を推進し、地域交流の活性化を図る区画です。

  ・こども農園区画(120㎡)

    都内在住の小学生を対象に、年間を通した農業体験や環境教育、モノづくりなどのプログラムと、土や植物、生き物との関わりを通した遊びや学びの機会を提供する区画です。

  ・ビニールハウス

    育苗などを行うためのビニールハウスがあります。

  ・農業用井戸

    農園の水やりに使用するための井戸があります。

  ・販売所(隣接施設)

    農園で収穫された野菜や地元産野菜を使用した日替りランチを提供する飲食スペースのほか、地元野菜などの販売コーナーなどがあります。

  ④開園日時

  ・開園時間:9時~18時(農園エリアは10月~3月は17時まで)

  ・閉園日:月曜日、年末年始



2 インキュベーション農園事業

 (1)目的

   いわゆる「生産緑地の2022年問題」に対応するため、買取申出のあった生産緑地を東京都が購入することで、買取申出のあった農地の公による買取りのモデルを示す事業です。

   また、買い取った農地に新たな栽培技術を活用した農業用施設(※)を備えた「インキュベーション農園」を整備し、新たな栽培技術に関心のある農業者に貸し出すことにより、初期コストがかかり施設導入が難しい農業者に対する高収益化に向けたチャレンジ支援モデルを確立することを目的としています。

※新たな技術を活用した農業用施設:東京都の政策連携団体である(公財)東京都農林水産振興財団農業総合研究センターが開発した東京フューチャーアグリシステム®を導入した農業用ハウスを指します。東京フューチャーアグリシステム®の詳細についてはこちらをご覧ください。

 (2)「インキュベーション農園」の概要

   ①所在地

    多摩市連光寺6-12-5

   ②面積

   1,936㎡

   ③施設・設備

   東京フューチャーアグリシステム®ハウス 2棟

   ※トマト、キュウリ、パプリカの栽培に対応しています。

  本施設は、施設利用者以外立入禁止施設となります。

利用者の募集