労働情勢(2021年4月30日現在)

東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 労働情勢

毎月勤労統計調査 令和3年2月分結果確報

 厚生労働省は4月23日、「毎月勤労統計調査(令和3年2月分結果確報)」を発表した。事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年比0.4%減の265,702円となった。また、総実労働時間は前年比3.5%減の130.8時間となり、このうち所定外労働時間は前年比9.7%減の9.3時間となった。

3月完全失業率は2.6%-総務省労働力調査

 総務省統計局は4月30日、「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)3月分」を発表した。3月の完全失業率(季節調整値)は2.6%で前月と同率となった。就業者数は6,649万人で、前年同月に比べ51万人減少し、12か月連続の減少。また、完全失業者数は188万人で、前年同月に比べ12万人増加し、14か月連続の増加となった。
 産業別就業者では、前年同月比で「宿泊業、飲食サービス業」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「製造業」などが減少となった。

一般職業紹介状況(令和2年度分)

 厚生労働省は4月30日、「一般職業紹介状況(令和2年度分)」を発表した。
 その発表によると、令和2年度分の有効求人倍率は、前年度より0.45ポイント低下し1.10倍(正社員(1.06倍)であった。また、有効求人は前年度に比べ22.3%減、有効求職者数は9.8%増となった。

一般職業紹介状況(令和3年3月分)

 厚生労働省は4月30日、「一般職業紹介状況(令和3年3月分)」を発表した。
 その発表によると、3月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.01ポイント上昇し1.10倍(正社員0.84倍)であった。
 また、都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は前月と比べ0.02ポイント低下し、1.17倍であった。

(公財)日本生産性本部「働く人の意識に関する調査」

 公益財団法人 日本生産性本部は4月22日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響の継続調査(第5回「働く人の意識調査」)結果を取りまとめ、公表した。
 調査結果として、第1回調査から一貫して「Wi-Fiなど通信環境の整備」、「部屋、机、椅子、照明などの物理的環境の整備」といった自宅の環境整備に係る項目を4割前後の労働者が課題として認識していることが挙げられている。また、全ての世代で感染不安が薄れて「コロナ慣れ」が進み、テレワーク実施率は約2割で推移していることから、人々の自覚に基づく行動変容の訴求は従来以上に難しくなっていることが伺えるとしている。

連合総研第41回「勤労者短観(勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査)」(速報)

 連合総研は4月27日、第41回「勤労者短観」調査結果(速報)を公表した。
 調査結果のポイントとして、雇用や収入への影響については、「影響があった」と回答した人は4割を超えたこと、「孤立感」を感じている人は全体で3割、その内テレワーク実施者では4割弱となったこと、ワクチン接種については、「様子を見て判断」が約6割、「接種したくない」が2割等を挙げている。

令和2年の労働災害発生状況の公表

 厚生労働省は4月30日、令和2年1月から12月までの労働災害発生状況を取りまとめ公表した。
 令和2年1月から12月までの労働災害による死亡者数(以下「死亡者数」)は802人(前年比43人・5.1%減、平成29年比176人・18.0%減)と3年連続で過去最少となった。
 労働災害を減少させるために重点的に取り組む事項を定めた中期計画「第13次労働災害防止計画」(以下「13次防」)(平成30年度~令和4年度)では、平成29年比で死亡者数を15%以上、死傷者数を5%以上減少させることを目標としている。13次防の重点業種では、陸上貨物運送事業が15,815人(前年比433人・2.8%増、平成29年比1,109人・7.5%増)、小売業が15,341人(同675人・4.6%増、同1,460人10.5%増)、社会福祉施設が13,267人(同3,222人・32.1%増、同4,529人51.8%増)と対前年比で増加した。一方、飲食店が4,953人(同188人・3.7%減、同232人4.9%増)で減少となった。

「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書の公表

 厚生労働省は4月30日、「職場のハラスメントに関する実態調査」について報告書を取りまとめたことを公表した。 調査結果の主要点としては、ハラスメントの予防・解決に向けた取組を進める上での課題としては、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」の割合が最も高く、次に「発生状況を把握することが困難」が高い結果となった。また、就職活動中またはインターンシップ参加中にセクハラ(就活等セクハラ(※))を経験した者の割合は25.5%であったこと等が挙げられている。

(※)この調査では、就職活動中のセクハラだけでなく、インターンシップ参加中のセクハラの経験についても調査しており、就職活動中またはインターンシップ参加中に経験したセクハラを「就活等セクハラ」としている。

令和3年度地方労働行政運営方針の策定について

 厚生労働省は4月1日、「令和3年度地方労働行政運営方針」を策定したことを公表した。
本方針では、「ウイズ・ポストコロナ時代の雇用機会の確保」として、雇用調整助成金及び産業雇用安定助成金、在籍型出向を活用した雇用維持の促進、非正規労働者の再就職支援、女性活躍・男性の育児休業取得等の推進等を挙げている。

新たな履歴書の様式例の作成について

 厚生労働省は4月16日、公正な採用選考を確保する観点から、新たな履歴書の様式例を作成したことを公表した。
 この様式例の特徴としては、性別欄は「男・女」の選択ではなく任意記載欄としたこと(未記載も可)、「通勤時間」、「扶養家族数(配偶者を除く)」、「配偶者」、「配偶者の扶養義務」の各項目は設けないことが挙げられている。。

経団連へ「オンラインでの就活等」に向けて要請

 内閣官房、厚生労働省、文部科学省、経済産業省は3月30日、経団連に対し、2022年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請を実施した。この要請は、オンラインの活用が広がるなか、学生が安心して就職活動に取り組める環境を整えるよう求めるために行われた。
 要請事項のポイントとしては、オンラインを活用する場合に通信手段等の事前明示及び通信が乱れた際の対応等を学生に対して行うこと、セクシャルハラスメント等の防止を徹底すること、日本人海外留学者・外国人留学生などに対して多様な採用選考機会を積極的に周知・提供することなどが挙げられている。

若者雇用促進法に基づく「事業主等指針」を改正

 厚生労働省は4月30日、若者雇用促進法に基づく「事業主等指針」を改正したことを公表した。
 改正の特徴として、募集情報等提供事業者・募集者等における個人情報の管理、就活生等に対するハラスメント問題への対応、内定辞退等勧奨の防止、公平・公正な就職機会の提供が挙げられている。

「中同協と意見交換会」を開催<連合>

 連合は4月20日、中小企業家同友会全国協議会(以下、中同協)と懇談会を開催し、ポストコロナに向けた中小企業の課題と存在意義、地域との関わりなどについて意見交換を行った。
 相原事務局長は、「この危機的状況を乗り切るためにも、中小企業の課題と存在意義、地域の役割について意見交換したい」と中同協と連合の両者で中小・小規模事業者の事業継続と持続可能な地域づくりに取り組むことの必要性に触れた。また、広浜中同協会長は「中小企業が少なくなれば社会全体の生産性が上がるわけではなく、むしろ小規模だからこそ、多様なニーズや需要の変化に対応することで社会に貢献している企業も多くある」と述べた。
連合は中同協の7月の中小企業魅力発信月間の取り組みに参画し、今後ともお互いに支え合いながら連携していくことを確認したとしている。

「コロナにまけない!食料×生活支援プロジェクト」を開催<東京地評等>

 東京地評、東京民医連、東京社保協などは3月30日、「コロナにまけない!食料×生活支援プロジェクト」を開催した。
 プロジェクトは、12月に続く2回目の取り組みであり、今回は食材・生活用品・学用品などの無償配布とともに、相談やアンケートを行い、生活困窮者の実態と要望を的確につかむことに努めたとしている。
 アンケート結果(234人)では、9割が女性で全体の6割が20歳未満の子どもを持つひとり親世帯であること、全体の7割がこの1年間で月収が減ったこと、この1年間で家賃やクレジットカードなど生活費の支払いに困った経験のある人は6割超であることが挙げられている。また、東京都産業労働局などから相談・就労関連資料が提供され、豊島区、文京区から情報発信の協力、地元の米穀卸、青果店、飲食店、ドラッグストアなどから調達の協力があったとしている。

東京都と意見交換会(テレワークの推進等)を実施<東京商工会議所>

 東京商工会議所は4月23日、小池東京都知事と「テレワークの推進等について」意見交換会を実施した。
 冒頭、小池都知事が「大型連休中の連続休暇の取得やテレワーク等の在宅勤務を促し、最大限の出勤抑制を図っていただきたい。テレワークは、社員を感染から守り、働き方改革・生産性の向上を進めることができるため、積極的な推進をお願いしたい。都でも推進をサポートしていく」と述べた。これを受けて、三村東京商工会議所会頭は、「中小企業におけるテレワークの実施率は約7割まで増加している。一方で、仕事の性質などからやむを得ず実施できない企業があることをあらためてご認識いただきたい」と述べた。また、緊急事態宣言の発令については、「深刻な影響を受ける事業者には、規模や業種・業態に応じた適切な補償をするなど、迅速かつきめ細かな支援をお願いしたい」とし、「今回の緊急事態宣言の要請に至った背景をわかりやすく説明いただくとともに、どのような状況になれば解除されるのかという判断基準をあらかじめ設けていただきたい」と述べた。

春季生活闘争 第4回回答集計結果について<連合>

 連合は4月15日、春季生活闘争の第4回回答集計結果※を公表した。
 賃上げ回答状況は、平均賃金方式(回答2,572組合)の回答額は組合員数による加重平均で5,445円(1.83%)となっている。また300人未満の中小組合(回答1,717組合)の回答額平均は4,547円(1.81%)となっている。※昨年同時期は未実施。

国民春闘賃上げ 第4回集計について<国民春闘共闘委員会>

 国民春闘共闘委員会は4月9日、2021春闘(第4回集計)をとりまとめ公表した。
 賃上げ回答状況は、回答のあった758労働組合の回答金額は単純平均で4,896円(1.85%)となっている。同一労組の前年妥結額との比較では、金額で193円、率で0.02%下回った。

2020年「夏季・冬季 賞与・一時金調査結果」の概要<経団連>

 経団連は4月16日、「夏季・冬季 賞与・一時金調査結果」の概要をとりまとめ公表した。
 調査結果によると、賞与・一時金総額(原資)の決定方法では、業績連動方式を導入している企業の割合は60.1%(前年比+0.6ポイント)で、本項目の調査を開始した1987年以降の最高値を2年連続(2019年59.5%)で更新し、初めて6割超となった。また、賞与・一時金の水準については、非管理職では、夏季74万1,504円(対前年増減率△1.5%)、冬季68万3,471円(同△4.4%)、管理職では、夏季151万1,632円(同△3.0%)、冬季134万5,972円(同△5.2%)と、いずれも前年と比べマイナスとなり、コロナ禍等の影響によって夏季・冬季ともにリーマン・ショック後の2009年に次ぐ減少率となった。

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・3月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」

労働力人口 6,837万人 ( 6,840万人 )
就業者数

6,649万人 ( 6,646万人 )前年同月比51万人の減少。

完全失業者数

188万人 ( 194万人 )前年同月比 12万人の増加。

完全失業率【季節調整値】

2.6% ( 2.9% )

労働市場<東京都・3月>

資料出所:東京労働局「職業安定業務統計」

月間有効求職者数 144,228人 ( 137,644人 )
月間有効求人者数 159,864人 ( 157,896人 )
有効求人倍率【季節調整値】 1.17倍 (1.19倍 ) <全国:1.10倍(1.09倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

一般労働者月間賃金・労働時間<東京都・2月・規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「毎月勤労統計調査」

現金給与総額 335,260円( 341,734円 )
定期給与 325,226円( 326,983円 )
特別給与 10,034円( 14,751円 )
総実労働時間数 128.8時間 (129.0時間 )
所定内労働時間数 118.2時間 (118.7時間 )
所定外労働時間数 10.6時間 (10.3時間 )

倒産状況<東京都・3月>

資料出所:東京商工リサーチ

件数 123件 (  104件 ) <全国:634件(446件)>
負債総額 73,172百万円 ( 18,060百万円 ) <全国:141,453百万円(67,490百万円)>

倒産件数は、123件(前年同月比15.8%減)と、7か月連続で前年同月を下回った。負債総額は、731億7,200万円(前年同月比137.7%増)となった。負債額10億円以上の倒産は3件(前年同月7件)となった。業種別件数ではサービス業(32件)、卸売業(15件)、宿泊業,飲食サービス業(15件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のしわ寄せ・売掛金等回収難)は102件となり、倒産件数における構成比は82.9%となった。倒産企業総従業員数は784人となり、前年同月の546人と比べ43.6%増となった。

お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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