労働情勢(2021年5月31日現在)

東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 労働情勢

毎月勤労統計調査 令和3年3月分結果確報

 厚生労働省は5月28日、「毎月勤労統計調査(令和3年3月分結果確報)」を発表した。事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年比0.6%増の282,898円となった。また、総実労働時間は前年比0.8%増の138.2時間となり、このうち所定外労働時間は前年比1.9%減の10.0時間となった。

毎月勤労統計調査 令和2年度分結果確報

 厚生労働省は5月28日、「毎月勤労統計調査(令和2年度分結果確報)」を発表した。事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年度比1.5%減の318,081円となった。また、総実労働時間は前年度比3.0%減の134.6時間となり、このうち所定外労働時間は前年度比13.9%減の9.0時間となった。

4月完全失業率は2.8%-総務省労働力調査

 総務省統計局は5月28日、「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)4月分」を発表した。4月の完全失業率(季節調整値)は2.8%で前月に比べ0.2ポイントの上昇となった。就業者数は6,657万人で、前年同月に比べ29万人増加し、13か月ぶりの増加。また、完全失業者数は209万人で、前年同月に比べ20万人増加し、15か月連続の増加となった。
 産業別就業者では、前年同月比で「医療,福祉」、「教育,学習支援業」、「情報通信業」などが増加となった。

一般職業紹介状況(令和3年4月分)

 厚生労働省は5月28日、「一般職業紹介状況(令和3年4月分)」を発表した。
 その発表によると、4月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.01ポイント低下し1.09倍(正社員0.88倍)であった。
 また、都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は前月と比べ0.03ポイント低下し、1.14倍であった。

令和2年不当労働行為審査事件の取扱状況の公表<東京都>

 東京都労働委員会は5月、令和2年における不当労働行為審査事件の取扱い状況をまとめ公表した。取扱状況によると、令和2年の不当労働行為審査事件の取扱件数は、前年に比べ17件増加して429件であった。また、新規係属件数は、前年を21件上回り116件となった。

令和2年度 働き方改革に関する実態調査の結果を公表<東京都>

 東京都は5月12日、「令和2年度 働き方改革に関する実態調査」の結果を公表した。
 事業所調査結果によると、事業所において、制度の拡大を含めた「導入済」の割合は、「時差出勤制度」(60.9%)が最も多く、次いで「在宅勤務・テレワーク」(50.7%)となっている。
 従業員調査結果によると、従業員の「今後導入してほしい」働き方は、「週休3日制」(54.5%)が最も多く、一方で、「導入を希望しない」働き方は「交替制勤務」(35.1%)が最も多い結果となっている。

令和2年度11月「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表

 厚生労働省は5月7日、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果について公表した。
 今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の「使い捨て」が疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる9,120事業場に対して実施したものである。
 調査結果によると、2,807(30.8%)の事業場で違法な時間外労働があり、478(5.2%)の事業場で賃金不払残業があったとしている。

令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」を公表

 厚生労働省は5月18日、「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」について公表した。
公表結果によると、高校新卒者の「就職内定率」は前年同期比0.2ポイント低下し99.1%、「求人数」は約38万6千人で同20.2%の減、「求人倍率」は2.64倍で、同0.25ポイントの低下となっている。

 また、中学新卒者の「就職内定率」は前年同期比0.3ポイント上昇し84.7%、「求人数」は1,150人で、同32.2%の減、「求人倍率」は2.84倍で同0.32ポイントの低下となっている。

「外国人留学生の国内就職支援研修モデルカリキュラム」を開発

 厚生労働省は5月10日、「外国人留学生の国内就職支援研修モデルカリキュラム」を開発したことを公表した。このカリキュラムは、外国人留学生の65%が日本国内での就職を希望しているにもかかわらず、実際の国内就職率は37%に留まっており、原因として「日本特有の就職活動への情報不足等」が課題として挙げられたため、これらの問題を克服して外国人留学生の国内就職を促進するために開発された。
 カリキュラムのポイントとしては、段階を分けた2つのコース(「就職活動準備コース(大学1・2年生対象)」、「就職活動・内定後コース(大学3・4年生対象))を設けたこと、詳細な講義内容・方法及び講義で使用する豊富な事例の提供が挙げられている。

令和3年3月大学等卒業者の就職状況を公表

 厚生労働省と文部科学省は5月18日、令和3年3月大学等卒業者の就職状況を共同で調査し、令和3年4月1日現在の状況を取りまとめ、公表した。
取りまとめの結果、大学生の就職率は96.0%(前年同期比2.0ポイント低下)となった。
 厚生労働省と文部科学省は、未就職のまま卒業した学生には新卒応援ハローワークの就職支援ナビゲーター※と大学等の就職相談員とが連携し、きめ細かな就職支援を継続していくとしている。また、事業主に対しては、若者雇用促進法に基づく指針を踏まえ、既卒者が卒業後少なくとも3年間は「新卒枠」に応募できるよう、引き続き、周知徹底を図っていくとしている。
 ※新卒者などの就職支援を専門とする職業相談員(キャリアコンサルタントなどの資格保持者や企業の人事労務管理経験者など)。

『2021年度連合の重点政策』に関する要請書」を政府に提出<連合>

 連合は5月19日、政府に対し『2021年度連合の重点政策』に関する要請書」を提出した。
 井村総合政策推進局長より行われた内容説明では、①雇用調整助成金の休業・在籍出向制度および産業雇用安定助成金を活用できるよう必要な予算措置を講じるとともに、失業者の急増にも耐えうるよう雇用保険特別会計の国庫負担割合を原則に戻すこと、②マイナンバーに所得情報をひも付け正確に所得を捕捉した上で、必要な給付と連携させる「税と給付の一体的運営の基盤」によるプッシュ型支援制度の構築に繋げるとともに、マイナポータルの活用により労働者の実態を正確に把握し、フリーランス等へのセーフティネット構築を行うこと、③2050年を目標とした「カーボンニュートラル」の実現に向けては、SDGsの理念に基づき「グリーンリカバリー」を推進し、イノベーションの基礎となる技術開発や人材育成に向けた支援を進め、社会実装につなげること等、3点が強調して説明された。
 加藤官房長官からは、「強調された3点の要請について、課題認識は共有している。在籍型出向制度については地域での評価も高く、さらに推進をしていきたい。雇用調整助成金の期限延長は、期間に余裕が持てるよう前広に検討をしている。また、先日のデジタル改革関連法成立に伴い、マイナンバーを活用したプッシュ型の支援については、今後さらなる拡充ができると考えている。脱炭素社会の実現に向けても、産業構造の転換に伴う労働移動への配慮を行い、国民的議論を深めていきたい」との回答があった。

【談話】医療法の強行成立に抗議<全労連>

 全労連は5月21日、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」が国会で成立したことをうけ、事務局長談話を発表した。
 事務局長談話では、「この法律は『医師の働き方改革』と『医療提供体制改革』をうたいながら、医師不足はそのままに、医師の長時間労働を容認し、病床削減をも推進するものである。これのどこが『良質かつ適切な医療』につながるのか。コロナ禍による医療現場の深刻な緊急状態下の改悪強行という、無慈悲さに対しても満身の怒りをもって抗議する」と述べている。

「コロナ禍における雇用・労働対策に関する緊急要望」について

 日本商工会議所並びに東京商工会議所は5月25日、「コロナ禍における雇用・労働対策に関する緊急要望」を取りまとめたことを公表した。
 要望内容は、①雇用調整助成金の特例措置の延長、②雇用調整助成金の一般会計による財源負担の実施、③「失業なき労働移動」の促進に資する施策の強化・拡充、④テレワークの普及・定着に向けた支援策の強化・拡充の4点である。
 日本・東京商工会議所は、今後要望書を政府・与党へ提出し、実現を働きかけていくとしている。

春季生活闘争 第5回回答集計結果について<連合>

 連合は5月10日、春季生活闘争の第5回回答集計結果を公表した。賃上げ回答状況は、平均賃金方式(回答3,205組合)の回答額は組合員数による加重平均で5,347円(1.81%)となっている。昨年同時期との比較では336円と0.12ポイント下回っている。また300人未満の中小組合(回答2,222組合)の回答額平均は4,438円(1.77%)となっている。昨年同時期との比較では287円と0.14ポイント下回っている。

国民春闘賃上げ 第7回集計について<国民春闘共闘委員会>

 国民春闘共闘委員会は5月31日、2021春闘(第7回集計)をとりまとめ公表した。それによると、回答のあった1,023労働組合の回答金額は単純平均で4,760円(1.83%)となっている。同一労組の前年妥結額との比較では、金額で83円下回っている。

2021年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況 第1回集計<経団連>

 日本経団連は5月28日、2021年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況(加重平均)第1回集計を公表した。
 賃上げ回答状況は、集計可能な15業種89社の平均は、6,040円(1.82%)となっている。昨年同時期との比較では705円と0.21ポイント下回っている。

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・4月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」

労働力人口 6,866万人 ( 6,837万人 )
就業者数

6,657万人 ( 6,649万人 )前年同月比29万人の増加。

完全失業者数

209万人 ( 188万人 )前年同月比20万人の増加。

完全失業率【季節調整値】

2.8% ( 2.6% )

労働市場<東京都・4月>

資料出所:東京労働局「職業安定業務統計」

月間有効求職者数 151,824人 ( 144,228人 )
月間有効求人者数 155,703人 ( 159,864人 )
有効求人倍率【季節調整値】 1.14倍 (1.17倍 ) <全国:1.09倍(1.10倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

一般労働者月間賃金・労働時間<東京都・3月・規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「毎月勤労統計調査」

現金給与総額 368,581円( 335,260円 )
定期給与 331,922円( 325,226円 )
特別給与 36,659円( 10,034円 )
総実労働時間数 140.1時間 (128.8時間 )
所定内労働時間数 128.3時間 (118.2時間 )
所定外労働時間数 11.8時間 (10.6時間 )

倒産状況<東京都・4月>

資料出所:東京商工リサーチ

件数 101件 (  123件 ) <全国:477件(634件)>
負債総額 22,386百万円 ( 73,172百万円 ) <全国:84.098百万円(141,453百万円)>

倒産件数は、101件(前年同月比6.5%減)と、8か月連続で前年同月を下回った。負債総額は、223億8,600万円(前年同月比40.4%減)となった。負債額10億円以上の倒産は2件(前年同月8件)となった。業種別件数ではサービス業(23件)、小売業(13件)、卸売業(12件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のしわ寄せ・売掛金等回収難)は80件となり、倒産件数における構成比は79.2%となった。倒産企業総従業員数は435人となり、前年同月の2,048人と比べ78.8%減となった。

お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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