労働情勢(2022年12月31日現在)

 東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 労働情勢

毎月勤労統計調査 令和4年10月分結果確報

 厚生労働省は12月21日、「毎月勤労統計調査(令和4年10月分結果確報)」を公表した。
 事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年同月比1.4%増の275,195円となった。総実労働時間は前年同月比0.9%減の137.3時間となり、このうち所定外労働時間は前年同月比6.9%増の10.5時間となった。

11月の完全失業率は2.5%―総務省労働力調査

 総務省統計局は12月27日、「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)11月分」を公表した。

 11月の完全失業率(季節調整値)は2.5%で、前月に比べ0.1ポイントの低下となった。就業者数は6,724万人で前年同月に比べ28万人増加し、4か月連続の増加となった。完全失業者数は165万人で、前年同月に比べ18万人減少し、17か月連続の減少となった。産業別就業者では、前年同月比で「宿泊業,飲食サービス業」、「製造業」、「学術研究,専門・技術サービス業」などが増加となった。

11月の有効求人倍率は1.35倍で前月と同水準―一般職業紹介状況

 厚生労働省は12月27日、「一般職業紹介状況(令和4年11月分)」を公表した。
 11月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同水準の1.35倍(正社員1.04倍)であった。都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は、前月と比べ0.04ポイント上昇し、1.69倍であった。

「令和3年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(確定値)」を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は12月14日、「令和3年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(確定値)」を公表した。

 「労災保険給付」の令和3年度の請求件数は1,278件(石綿肺を除く)、支給決定件数は1,011件(同)で、請求件数は昨年度と比べ17.8%増加、支給決定件数は昨年度とほぼ同水準となった。
 「特別遺族給付金」の令和3年度の請求件数は545件で、支給決定件数は31件であった。

令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は12月16日、令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を取りまとめ、公表した。従業員21人以上の企業235,875社からの報告に基づき、高年齢者の雇用等に関する措置について、令和4年6月1日時点での企業における実施状況等をまとめたものである。
 65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みと報告した企業について、実施した措置内容別に見ると、継続雇用制度の導入(70.6%、前年より1.3ポイント減少)が、定年制の廃止(3.9%、同0.1ポイント減少)や定年の引上げ(25.5%、同1.4ポイント増加)を大きく上回った。
 一方、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は27.9%と、前年より2.3ポイント増加した。措置内容別に見ると、継続雇用制度の導入(21.8%)が最も多く、次いで、定年制の廃止(3.9%)、定年の引上げ(2.1%)、創業支援等措置の導入(0.1%)となった。

令和4年「労働組合基礎調査」の結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は12月16日、令和4年「労働組合基礎調査」の結果を公表した。
 調査結果によると、労働組合数は23,046組合で前年より346組合(1.5%)減少、労働組合員数は999万2千人で前年より8万6千人(0.8%)減少、推定組織率(※)は16.5%で前年より0.4ポイント低下となった。
 女性の労働組合員数は347万1千人で前年より2千人(0.0%)増加、推定組織率は12.5%で前年より0.3ポイント低下となった。
 パートタイム労働者の労働組合員数は140万4千人で前年より4万1千人(3.0%)増加、全労働組合員数に占める割合は14.1%で前年より0.5ポイント上昇、推定組織率は8.5%で前年より0.1ポイント上昇となった。

※ 推定組織率とは、雇用者数に占める労働組合員数の割合をいい、本調査で得られた労働組合員数を、総務省統計局が実施している「労働力調査」の雇用者数(6月分の原数値)で除して計算している。

「令和4年 東京都における労働組合の組織状況」を公表<東京都>

 東京都は12月19日、「令和4年 東京都における労働組合の組織状況」を公表した。労働組合基礎調査(厚生労働省統計)の調査結果に基づき、都が独自に集計したものである。
 都内の労働組合数は6,559組合(前年比24組合減)、組合員数は241万4,345人(前年比5万2,534人増)、都内雇用者に占める推定組織率は25.3%(前年比0.3ポイント増)となった。
 産業別組合員数をみると、「卸売業,小売業」が34万9,565人(都内組合員数の14.5%)で最も多く、以下、「製造業」34万5,877人(同14.3%)、「金融業,保険業」27万7,164人(同11.5%)の順となった。初めて「卸売業,小売業」が「製造業」を上回り、最も組合員数の多い産業となった。
 パートタイム労働者の組合員数は50万9,002人(前年比6万6,499人増)となり、総組合員数の21.1%を占めた。
 都内主要労働団体への加盟状況をみると、「連合東京」が125万5,559人(都内組合員数の52.0%)で最も多く、以下、「東京地評」が19万9,945人(同8.3%)、「東京労連」が10万4,964人(同4.3%)、「東京全労協」が3万4,537人(同1.4%)となった(重複加盟あり)。

労働経済動向調査(令和4年11月)の結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は12月20日、「労働経済動向調査(令和4年11月)」の結果を公表した。この調査は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題等を把握することを目的に、四半期ごとに実施されている。
 調査結果によると、令和4年11月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.は調査産業計でプラス44ポイントであり、平成23年8月調査から46期連続して不足超過となった。特に、「建設業」、「医療,福祉」、「情報通信業」、「運輸業,郵便業」で人手不足感が高い。
 令和4年11月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.は調査産業計でプラス30ポイントであり、平成21年11月調査から53期連続して不足超過となった。特に、「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」、「サービス業(他に分類されないもの)」などで人手不足感が高い。

※ 「労働者過不足判断D.I.」は、調査時点において、労働者が「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値である。この判断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多いことを示す。

令和4年の「障害者雇用状況」集計結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は12月23日、民間企業や公的機関などにおける、令和4年の「障害者雇用状況」集計結果を取りまとめ、公表した。障害者雇用促進法に基づき、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある事業主などに報告を求め、それを集計したものである。

 集計結果によると、民間企業(法定雇用率2.3%)の雇用障害者数は61万3,958.0人で前年より1万6,172.0人(2.7%)増加、実雇用率は2.25%で前年より0.05ポイント上昇となり、いずれも過去最高を更新した。法定雇用率達成企業の割合は48.3%で、前年より1.3ポイント上昇となった。

第44回勤労者短観(勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査)報告書を公表<連合総研>

 連合総研は、2022年10月に実施した第44回勤労者短観(勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査)の報告書を公表した。本調査は、国内の景気動向や仕事と暮らしについての勤労者の意識を定期的に把握するとともに、勤労者の生活の改善に向けた政策的諸課題を検討するための基礎的資料を得ることを目的としている。調査対象は、全国に居住する20代から60代前半までの民間企業に雇用されている者である。

 調査結果によると、1年前と比べた景気認識D.I.値はマイナス47.2と、前回調査(2022年4月、マイナス39.3)よりも悪化認識が強まった。1年前と比較した賃金収入の変動幅と物価上昇幅の差について、「賃金収入の変動幅は、物価上昇より小さい(賃金の増加幅<物価上昇幅)」と回答した割合は57.4%と過半数を占めた。
 また、残業手当の支給対象で2022年9月に所定外労働を行った人の27.2%が残業手当の未申告(賃金不払い残業)があると回答した。

令和4年度第2次補正予算が成立

 12月2日、令和4年度第2次補正予算が成立した。
 厚生労働省の予算には、同一労働同一賃金の徹底に向けた労働基準監督官52名の増員が盛り込まれている。都道府県労働局が労働基準監督署と連携する新たな枠組みにおいて、パート・有期雇用労働法に基づく是正指導の強化を図る。
 現行では、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)がパート・有期雇用労働法に基づく報告徴収を行い、法違反がある場合に助言・指導等を行っているが、補正予算成立後は、労働基準監督署がこれに関与することとなる。具体的には、事前に監督官が事実関係の確認を行い、把握した情報に基づいて労働局が報告徴収の対象企業を選定することにより是正指導の実効性を高めるというものである。

「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」報告書を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は12月13日、「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」報告書を公表した。

 現在、国は、労働者等の法的地位の安定性を重視して、①事業主に対して労災保険給付支給決定の不服申立適格等を認めておらず、また、②労働保険料認定決定の不服申立等において事業主が労災保険給付の支給要件非該当の主張をすることも認めていないが、こうした国の主張を否定する下級審の判決が出ている。この検討会では、労働者等の法的地位の安定性は堅持しつつ、メリット制を介して労災保険給付分に係る労働保険料の増大という不利益を受ける可能性がある事業主の手続的保障を図る観点から、こうした事業主が、労働保険料認定決定の不服申立等において、労災保険給付の支給要件非該当性を主張することを認める余地がないかが検討された。

 公表された報告書によると、厚生労働省は、特定事業主(メリット制の適用を受ける事業主)には労災支給処分の不服申立適格等が認められないとの立場を堅持した上で、特定事業主が保険料認定処分に不服を持つ場合の対応として、「保険料認定処分の不服申立等において、労災支給処分の支給要件非該当性に関する主張を認め」、「労災支給処分の支給要件非該当性が認められた場合には、その労災支給処分が労働保険料に影響しないよう、労働保険料を再決定するなど必要な対応を行う」ことが適当としている。一方で、「保険料認定処分の不服申立等において労災支給処分の支給要件非該当性が認められたとしても、そのことを理由に労災支給処分を取り消すことはしない」としている。

「全世代型社会保障構築会議報告書」を公表<全世代型社会保障構築会議>

 全世代型社会保障構築会議は12月16日、「全世代型社会保障構築会議報告書 ~全世代で支え合い、人口減少・超高齢社会の課題を克服する~」をとりまとめ、公表した。
 報告書は、「仕事か、子育てか」の二者択一を迫られている状況を是正し、こどもを生み育てたいと希望する全ての人が、働き方にかかわらず安心して子育てができる環境を整備するために、「希望する方が時短勤務を選択しやすくする給付の創設」、「雇用のセーフティネットや育児休業給付の対象外となっている短時間労働者への支援」、「自営業者やフリーランス・ギグワーカー等に対する育児期間中の給付の創設」等について検討を進めるべきと提起している。
 また、勤労者皆保険の実現に向けて、雇用の在り方に対して中立的な社会保障制度を構築していく観点から、「女性就労や高齢者就労の制約となっていると指摘される社会保障制度や税制等について、働き方に中立的なものにしていくことが重要である」としている。

 労働市場や雇用の在り方の見直しについては、将来への展望を持ちながら安心して働き、子育てすることができる機能的な労働市場を整備することが重要との認識を示し、「労働移動円滑化に向けた指針」を官民で策定し、「構造的な賃上げ」につなげていくことを求めている。

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)を改正<厚生労働省>

 厚生労働省は12月23日、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)を改正し、リーフレット等を公表した。

 本改正により、拘束時間(始業時刻から終業時刻までの時間(休憩時間を含む))の上限が引き下げられるとともに、現在は継続8時間以上とされている1日の休息期間(勤務と勤務の間の自由な時間)について、改正後は、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らないようにすることが義務づけられる。
 新基準は令和6年4月1日から適用される。

「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)」を公表〈労働政策審議会〉

 厚生労働省は12月27日、「労働政策審議会労働条件分科会報告『今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)』」を公表した。
 報告書は、無期転換ルールの適切な活用に向けて、「無期転換申込権が発生する契約更新時に、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件について、労働基準法の労働条件明示の明示事項に追加すること」や「更新上限の有無及びその内容について、労働基準法の労働条件明示事項に追加する」ことなどを提起している。
 また、多様な正社員に限らず労働者全般について、労働基準法の労働条件明示事項に就業場所・業務の変更の範囲を追加することが適当であるとしている。
 一方で、裁量労働制について、「銀行又は証券会社において、顧客に対し、合併、買収等に関する考案及び助言をする業務」を専門業務型の対象とすることが適当であるとし、また、従来は企画業務型のみ必須であった本人同意を専門業務型にも義務化することなどを提起している。

2023 春季生活闘争方針を決定<連合>

 連合は12月1日、第89回中央委員会を開催し、2023春季生活闘争方針を確定した。
 闘争方針は、月例賃金の要求指標について、「賃上げ分を3%程度、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含む賃上げを5%程度とする」としている。それぞれ前年より1%の上積みとなった。
 また、雇用形態間格差是正に向けた取組については、「有期・短時間・契約等で働く者の労働諸条件の向上と均等待遇・均衡待遇確保の観点から、企業内のすべての労働者を対象とした企業内最低賃金協定の締結をめざす。締結水準については、時給1,150円以上をめざす」としている。

「コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022」の結果を公表<連合>

 連合は12月8日、「コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022」の結果を公表した。

 調査結果によると、コロナ禍前と比べて、自分の仕事や職業生活に関してのストレスに変化があったかについては、「かなり増えた」(13.4%)と「やや増えた」(23.2%)を合計した『増えた(計)』が36.6%となった。

 また、自分が孤独であると感じることがあったか/あるかを尋ねると、≪コロナ禍前≫では「あった」は29.7%、≪現在≫では「ある」は34.7%と、≪コロナ禍前≫から5.0ポイントの上昇となった。

 働く上でのストレスをなくすために企業における施策として希望するものについては、「適正な人員配置・組織体制などの見直し」(39.1%)が最も多く、次いで、「仕事の進め方の改善、業務配分の見直し」(32.0%)となった。

「『労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服取り扱いに関する検討会報告書』についての談話」を発表<連合>

 連合は12月13日、「『労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服取り扱いに関する検討会報告書』についての談話」を公表した。

 談話は、同日に厚生労働省が取りまとめた「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」報告書について、「特定事業主による不服申し立て等が認められると、その後の賠償請求訴訟だけでなく、給付審査などへの影響も懸念されるが、一方で、不服申し立てが認められたとしても労働者への給付に対する影響は排除し、被災労働者やその家族の生活の安定を引き続き維持する方向性も示したものと受け止める」としている。
 一方で、これに関連して、東京高裁が11月29日に、特定事業主の労災支給決定にかかる取消訴訟の原告適格を認め、東京地裁に審理を差し戻したことについては、「事業主による反発を恐れて労災申請をためらう労働者もいる中で、事業主が労災支給処分に異論を唱える余地を拡大したことは極めて遺憾である」としている。

「カスタマー・ハラスメントに関する調査2022」の結果を公表<連合>

 連合は12月16日、「カスタマー・ハラスメントに関する調査2022」の結果を公表した。本調査は、18歳から65歳までの被雇用者又はフリーランスで、直近3年間に自身もしくは同じ職場の人がカスタマー・ハラスメントを受けたことがある人を対象としている。
 直近3年間に自身がカスタマー・ハラスメントを受けたことがある人に、どのようなハラスメントを受けたことがあるかを尋ねると、「暴言」(55.3%)が最も多く、次いで、「説教など、権威的な態度」(46.7%)、「同じクレーム内容の執拗な繰り返し」(32.4%)、「威嚇・脅迫」(31.9%)となった。
 また、全回答者に、直近5年間で、カスタマー・ハラスメントの発生件数に変化があったと思うかを尋ねると、「新型コロナウイルス感染症拡大に関係なく増加した」(13.8%)と「新型コロナウイルス感染症拡大で増加した」(23.1%)を合計した『増加した(計)』が36.9%となった。

「2022年『労働組合基礎調査』の結果に対する談話」を発表<連合>

 連合は12月16日、厚生労働省が令和4年「労働組合基礎調査」の結果を公表したことを受けて、「2022年『労働組合基礎調査』の結果に対する談話」を公表した。

 談話は、推定組織率の低下について、「集団的労使関係に守られない労働者が増加していることを示しており、強い危機感を持たなければならない」としている。
 連合の組合員数の対前年増減率が0.6%減となったことについては、「組合員数の減少を連合全体として真摯に受け止め、危機意識を持って対処していくことが必要不可欠である」とした上で、「『連合組織拡大プラン2030』にもとづき再設定した組織拡大目標の達成に向けて、すべての構成組織・地方連合会ならびに連合本部が、あらゆる機会を通じて組織拡大に徹底的にこだわる取り組みに総力を挙げていく」との方針を表明している。

「労働条件分科会報告『今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について』に対する談話」を発表<連合>

 連合は12月27日、「労働条件分科会報告『今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について』に対する談話」を公表した。
 談話は、27日に公表された労働政策審議会労働条件分科会報告について、「報告において、①無期転換ルールにおける申込機会や更新上限などの明示義務づけ、②裁量労働制における本人同意など適正な運用に関する措置が明記されたことは評価する」としている。
 一方で、裁量労働制について、「専門業務型の対象業務に銀行と証券会社のM&Aアドバイザー業務が追加されたことは遺憾である」とし、不適切な運用を防ぐためにも業務をより明確化すべきであると主張している。

「労災保険制度における事業主不服申し立てに反対する意見」を発表<全労連>

 全労連は12月15日、「労災保険制度における事業主不服申し立てに反対する意見」を公表した。

 公表された意見では、12月13日に厚生労働省が取りまとめた「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」報告書について、「この新しい方針が実施されれば、保険料増額を回避したいと考える事業主の責任否定の態度が助長され、被災労働者に様々な悪影響が生じかねない」と反対する姿勢が表明されている。反対の理由として、被災労働者が安心して療養できなくなることや「労働基準監督署の調査官等が委縮し、事業主の主張を過度に忖度する恐れがある」ことなどが挙げられている。
 同団体は、そうした懸念点を踏まえ、事業主が、保険料認定処分に対して、労災支給処分の支給要件非該当性に関する主張を伴う不服申立てを行うことを認める新方針を撤回することを求めている。

2022年「労働組合基礎調査」の結果についての談話を発表<全労連>

 全労連は12月20日、厚生労働省が令和4年「労働組合基礎調査」の結果を公表したことを受けて、「【談話】2022年『労働組合基礎調査』の結果について」を公表した。
 談話は、女性の推定組織率が低下したことやパートタイム労働者の推定組織率が1割にも到達していないことを踏まえ、「新自由主義経済による雇用の非正規化の進行とあわせて、コロナ禍で落ち込んだ雇用労働者数が回復傾向にある中、課題となっている女性労働者や非正規労働者の組織化が進んでいない。深刻な物価高騰が続き労働者の生活がますます苦しくなっていく中、労働組合員の組織率の低下は、労働者の声を上げる条件をつくり切れていないことを意味しており、大きな課題である」としている。その上で、「引き続き、働くものすべての要求実現と組織化を結合させ、『150万全労連』をめざし奮闘する」との決意を表明している。

物価上昇を契機に賃上げを呼びかける方針を表明<経団連>

 経団連の十倉会長は12月5日、記者会見を行い、2023年春季労使交渉について言及した。
 十倉会長は、「連合が今年の春季労使交渉を前に4%程度の賃金引き上げ要求を掲げていたことを踏まえると、物価上昇分も加味して5%程度に要求水準を引き上げること自体に驚きはない。物価上昇に負けない賃金引き上げは経営側の責務である」との考えを示した。その上で、「現下の物価上昇を契機に、賃金と物価の好循環が実現するよう、2023年版の経営労働政策特別委員会報告を通じて、会員企業に賃金引き上げを呼びかけていきたい」と、賃上げに積極的に取り組む方針を表明した。

2022春季生活闘争 年末一時金回答集計結果(第3回・最終)<連合>

 連合は12月9日、2022春季生活闘争年末一時金回答集計結果(第3回・最終)を公表した。

 回答集計によると、組合員1人あたり加重平均は、月数で2.33月(昨年同時期2.21月)、額で69万1,912円(同64万8,925円)となり、いずれも昨年同時期実績を上回った。
 また、「契約社員」の組合員1人あたり加重平均は、月数で2.14月、額で36万6,318円であった。「短時間労働者」の組合員1人あたり加重平均は、月数で0.84月、額で6万9,215円であった。

年末一時金最終集計<国民春闘共闘委員会>

 国民春闘共闘委員会は12月13日、年末一時金最終集計の結果を公表した。

 回答金額が判明している582組合の単純平均は58万1,776円となり、前年同期(56万6,458円)を1万5,318円上回った。回答月数が判明している942組合の単純平均は2.01か月となり、前年同期を0.02か月上回った。

2022年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果<経団連>

 経団連は12月22日、2022年年末賞与・一時金の大手企業業種別妥結結果(加重平均)を公表した。本調査は、原則として従業員数500人以上の大手企業を対象に実施されている。
 集計可能な18業種162社の平均妥結額は89万4,179円で、昨年から7万3,224円増加(8.92%増)となった。

 製造業129社の平均妥結額は91万5,724円(7.29%増)、非製造業33社の平均妥結額は83万2,082円(16.86%増)となり、いずれも前年比で過去最高の伸び率となった

年末一時金の平均妥結額は77万9,789円(2.40か月分相当)<東京都>

 東京都は12月19日、2022年年末一時金要求・妥結状況の最終集計結果を公表した。
 既に妥結した労働組合のうち、前年妥結額と比較可能な473組合の平均妥結額は77万9,789円(加重平均)で、平均賃金(32万4,246円・39.8歳)の2.40か月分に相当する。同一労組の前年妥結額(76万9,718円)との比較では、1万71円増加(1.31%増)となった。

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・11月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査結果」

労働力人口 6,889万人(6,933万人)
就業者数

6,724万人(6,755万人) 前年同月比28万人の増加

完全失業者数

165万人(178万人) 前年同月比18万人の減少

完全失業率【季節調整値】

2.5%(2.6%)

労働市場<東京都・11月>

資料出所:東京労働局「一般職業紹介取扱状況」

月間有効求職者数

129,734人(133,809人)

月間有効求人数 203,436人(198,873人)
有効求人倍率【季節調整値】 1.69倍(1.65倍)<全国:1.35倍(1.35倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

常用労働者月間賃金・労働時間<東京都・10月・事業所規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「東京都の賃金、労働時間及び雇用の動き(毎月勤労統計調査)」

現金給与総額 352,373円(358,448円)
定期給与 339,430円(337,843円)
特別給与 12,943円(20,605円)
総実労働時間数 139.0時間(138.9時間)
所定内労働時間数 127.0時間(127.4時間)
所定外労働時間数 12.0時間(11.5時間)

倒産状況<東京都・11月>

資料出所:東京商工リサーチ

件数 118件(95件)<全国:581件(596件)>
負債総額 19,716百万円(30,406百万円)<全国:115,589百万円(86,995百万円)>

 倒産件数は118件(前年同月比37.2%増)と、3か月連続で前年同月を上回った。負債総額は197億1,600万円(前年同月比48.1%増)となった。負債額10億円以上の倒産は2件(前年同月5件)となった。業種別件数では、サービス業(33件)、卸売業(30件)、情報通信業(17件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のシワ寄せ・売掛金等回収難)は91件となり、倒産件数における構成比は77.1%となった。倒産企業総従業員数は373人となり、前年同月の246人と比べ51.6%増となった。


お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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