労働情勢(2023年6月30日現在)

 東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 労働情勢

毎月勤労統計調査 令和5年4月分結果確報

 厚生労働省は6月23日、「毎月勤労統計調査(令和5年4月分結果確報)」を公表した。

 事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年同月比0.8%増の284,595円となった。総実労働時間は前年同月比0.5%減の140.8時間となり、このうち所定外労働時間は前年同月比1.9%減の10.5時間となった。現金給与総額指数を消費者物価指数で除した実質賃金は前年同月比3.2%減となった。

5月の完全失業率は2.6%で前月と同率―総務省労働力調査

 総務省統計局は6月30日、「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)5月分」を公表した。

 5月の完全失業率(季節調整値)は2.6%で、前月と同率となった。就業者数は6,745万人で前年同月に比べ15万人増加し、10か月連続の増加となった。完全失業者数は188万人で、前年同月に比べ3万人減少し、3か月ぶりの減少となった。産業別就業者では、前年同月比で「製造業」、「建設業」、「情報通信業」、「宿泊業,飲食サービス業」などが増加となった。

5月の有効求人倍率は1.31倍で前月に比べて0.01ポイント低下一般職業紹介状況

 厚生労働省は6月30日、「一般職業紹介状況(令和5年5月分)」を公表した。

 5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べて0.01ポイント低下し、1.31倍(正社員1.03倍)であった。都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は、前月と比べ0.03ポイント低下し、1.76倍であった。

令和4年「労働災害動向調査」の結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は6月1日、令和4年「労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)」の結果を公表した。100人以上の常用労働者を雇用する約16,000事業所及び総合工事業の延べ約5,400工事現場のうち、有効回答を得た10,140事業所及び4,769工事現場について集計されている。

 令和4年の労働災害の状況を調査産業計でみると、災害発生の頻度を表す度数率が2.06(前年2.09)、災害の重さの程度を表す強度率が0.09(同0.09)、死傷者1人平均労働損失日数が44.3日(同41.0日)となった。

「コロナ禍での人員削減」と「人手不足感」に関するアンケート調査の結果を公表<東京商工リサーチ>

 東京商工リサーチは620日、「コロナ禍での人員削減」と「人手不足感」に関するアンケート調査の結果を公表した。この調査は、61日から8日にかけて全国の企業を対象に実施された、インターネットによるアンケート調査である(有効回答6,071社)。

 コロナ禍において人員削減を実施したかを尋ねると、「希望退職」、「退職勧奨」、「整理解雇」、「補充採用の停止」のいずれかを実施した企業は9.8%となった。

 コロナ禍において人員削減を行った企業に、現在の自社の人員の充足感を尋ねると、61.5%が「人手不足感がある」と回答した。

労働経済動向調査(令和5年5月)の結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は623日、「労働経済動向調査(令和55月)」の結果を公表した。この調査は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題等を把握することを目的に、四半期ごとに実施されている。

 調査結果によると、令和551日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.は調査産業計でプラス44ポイントであり、平成238月調査から48期連続して不足超過となった。特に、「運輸業,郵便業」、「建設業」、「医療,福祉」で人手不足感が高い。

 令和551日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.は調査産業計でプラス28ポイントであり、平成2111月調査から55期連続して不足超過となった。特に、「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」、「サービス業(他に分類されないもの)」で人手不足感が高い。

 なお、今回は特別項目として、「令和6年新規学卒者の採用計画等」についても調査が行われている。

※ 「労働者過不足判断D.I.」は、調査時点において、労働者が「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値である。この判断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多いことを示す。

労働者の働き方・ニーズに関する調査の中間報告を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は6月23日に開催された第9回「新しい時代の働き方に関する研究会」において、労働者の働き方・ニーズに関する調査の中間報告を提示した。

 調査結果によると、賃金は働いた時間より成果に基づいて決めるべきかとの問いに対し、63.6%が肯定的な回答をした(「そう思う」12.9%、「どちらかといえばそう思う」50.7%の合計)。
 また、「仕事の手順を決定する際の、自分の裁量を増やしていきたい」と回答した割合は53.3%(「そう思う」10.0%、「どちらかといえばそう思う」43.3%の合計)、「仕事の時間配分を決定する際の、自分の裁量を増やしていきたい」と回答した割合は54.4%(「そう思う」10.2%、「どちらかといえばそう思う」44.2%の合計)、「勤務場所を決定する際の、自分の裁量を増やしていきたい」と回答した割合は47.2%(「そう思う」8.7%、「どちらかといえばそう思う」38.5%の合計)であった。

令和4年「労使間の交渉等に関する実態調査」の結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は6月28日、令和4年「労使間の交渉等に関する実態調査」の結果を公表した。この調査は、民営事業所における労働組合員30人以上の労働組合を対象としている(有効回答3,137労働組合)

 過去3年間において、「何らかの労使間の交渉があった」事項を尋ねると、多い順に、「賃金・退職給付に関する事項」72.6%(令和2年調査74.9%)、「労働時間・休日・休暇に関する事項」70.0%(同74.1%)、「雇用・人事に関する事項」60.4%(同61.0%)となった。

 また、「何らかの労使間の交渉があった」結果、「労働協約の改定がなされた又は新たに労働協約の規定が設けられた」とする割合を事項別にみると、「育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度、介護休暇制度」42.2%(同37.5%)が最も高く、次いで「休日・休暇(育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度、介護休暇制度を除く)」34.9%(同32.7%)、「賃金額」32.6%(同37.1%)、「退職給付(一時金・年金)」32.6%(同30.5%)となった。

令和4年度「過労死等の労災補償状況」を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は6月30日、令和4年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災保険給付の請求件数や支給決定件数などを取りまとめたものである。

 過労死等に関する請求件数は3,486件と前年度から387件の増加となり、支給決定件数は904件と前年度から103件の増加となった。支給決定件数のうち死亡・自殺(未遂を含む)件数は121件と前年度から15件の減少となった。

「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は6月30日、「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表した。

 総合労働相談件数は124万8,368件(前年度比0.5%増)で、15年連続で100万件を超えた。都道府県労働局長による助言・指導の申出件数は7,987件(前年度比5.9%減)、紛争調整委員会によるあっせんの申請件数は3,492件(前年度比7.1%減)であった。

 内容別の内訳では、民事上の個別労働紛争における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多となった。

令和4年度「能力開発基本調査」の結果を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は6月30日、令和4年度「能力開発基本調査」の結果を公表した。この調査は、国内の企業・事業所と労働者の能力開発の実態を明らかにし、今後の人材育成施策の在り方を検討するための基礎資料とすることを目的にしている。

 調査結果によると、能力開発や人材育成に関して、何らかの問題があるとする事業所は80.2%(前年比3.8%増)となった。問題点の内訳では、「指導する人材が不足している」(58.5%)が最も多く、次いで「人材を育成しても辞めてしまう」(50.8%)、「人材育成を行う時間がない」(45.3%)となった。

「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定<我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議>

 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議は6月2日、「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定した。トラックドライバーへの時間外労働の上限規制適用等により輸送能力が不足する「2024年問題」に直面するなか、緊急に取り組むべき抜本的・総合的な対策を取りまとめたものである。

 策定された政策パッケージでは、待機時間、荷役時間の削減等を通じてトラックドライバーの労働時間を削減するとともに、納品回数の減少等を通じた総輸送需要の抑制や物量の平準化により効率的な物流を実現するため、荷主・物流事業者に対して、「物流負荷の軽減に向けた計画作成や実施状況の報告を求めるとともに、取組みが不十分な事業者に対して、勧告、命令等を行う規制的措置等の導入等に向けて取り組む」方針が示されている。

 また、荷主企業・物流事業者間における物流負荷の軽減、物流産業における多重下請構造の是正、荷主企業の経営者層の意識改革・行動変容等に向けた規制的措置について、「2024年通常国会への法案提出を視野に具体化する」方針が示されている。

「特定技能2号」の対象分野を11分野に拡大する方針を閣議決定

 政府は6月9日、在留資格「特定技能」のうち、熟練した技能を要する「2号」について、対象分野を拡大する方針を閣議決定した。

 特定技能2号については、これまで、特定技能1号の12の特定産業分野のうち、建設分野及び造船・舶用工業分野の溶接区分のみが対象となっていたが、新たに、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の9分野と、造船・舶用工業分野のうち溶接区分以外の業務区分全てを対象に加え、11分野に拡大する。

「こども未来戦略方針」を閣議決定

 6月13日、「こども未来戦略方針」が閣議決定された。

 決定した方針には、被用者が新たに106万円の壁を超えても手取り収入が逆転しないよう、労働時間の延長や賃上げに取り組む企業に対し、「必要な費用を補助するなどの支援強化パッケージを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む」旨が明記されている。

 出生時育児休業の取得時に支給される給付金については、「給付率を現行の67%(手取りで8割相当)から、8割程度(手取りで10割相当)へと引き上げる」方針が示されている。

 また、育児休業を支える体制整備を行う中小企業に対する助成措置を大幅に強化する方針が示されており、「業務を代替する周囲の社員への応援手当の支給に関する助成の拡充や代替期間の長さに応じた支給額の増額を検討する」旨が明記されている。

 そのほか、テレワークを事業主の努力義務の対象に追加することや、「親と子のための選べる働き方制度(仮称)」、「育児時短就業給付(仮称)」の創設などについて検討し、育児期を通じた柔軟な働き方を推進する方向性が示されている。

 雇用保険については、週所定労働時間20時間未満の労働者についても失業給付や育児休業給付等を受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向けた検討を進め、2028年度までを目途に施行すると明記されている。

 自営業・フリーランス等、国民年金の第1号被保険者については、2026年度までに育児期間に係る保険料免除措置を創設する方針が表明されている。

「女性版骨太の方針2023」を決定

 すべての女性が輝く社会づくり本部及び男女共同参画推進本部は6月13日、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」を決定した。

 決定された方針は、「様々なライフイベントに当たりキャリア形成との二者択一を迫られるのは多くが女性であり、その背景には、長時間労働を中心とした労働慣行や女性への家事・育児等の無償労働時間の偏り、それらの根底にある固定的な性別役割分担意識など、構造的な課題が存在する」との認識のもと、企業の労働慣行の見直しや家事・育児・介護等の無償労働の負担の軽減、女性のキャリア意識をめぐる課題の解消など、男女がともにライフイベントとキャリア形成を両立する上での諸課題の解消を進めていく方針を掲げている。

「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太方針)等を決定

 6月16日、「経済財政運営と改革の基本方針2023 加速する新しい資本主義~未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現~」(骨太方針2023)が閣議決定された。

 決定された方針は、「これまで積み上げてきた経済成長の土台の上に、構造的な人手不足への対応を図りながら、人への投資を強化し、労働市場改革を進めることにより、物価高に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現する」としている。また、「多様な働き方の推進等を通じ、多様な人材がその能力を最大限いかして働くことで企業の生産性を向上させ、それが更なる賃上げにつながる社会を創る」との方針を掲げている。

「令和5年版 男女共同参画白書」を閣議決定

 6月16日、「令和5年版 男女共同参画白書」が閣議決定された。

 白書では、「今こそ、固定的性別役割分担を前提とした長時間労働等の慣行を見直し、『男性は仕事』『女性は家庭』の『昭和モデル』から、全ての人が希望に応じて、家庭でも仕事でも活躍できる社会、『令和モデル』に切り替える時である」との認識が示され、「令和モデル」の実現に向けて特に優先すべきこととして、「希望が満たされ、能力を最大限に発揮して仕事ができる環境の整備」、「仕事と家事・育児等のバランスが取れた生活」、「女性の経済的自立」が掲げられている。

「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会報告書」を公表<厚生労働省>

 厚生労働省は6月19日、「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会報告書」を公表した。

 報告書は、「ライフステージにかかわらず全ての労働者が『残業のない働き方』となっていること」をあるべき方向性として目指す旨を明記した上で、具体的な対応方針を示している。

 子が3歳以降小学校就学前までの両立支援の拡充に向けては、柔軟な働き方を措置する制度の中から、事業主が各職場の事情に応じて2以上の制度を選択して措置を講じる義務を設け、そのなかから労働者が選択することができる仕組みとすることを求めている。

 また、現在3歳になるまで請求できる残業免除(所定外労働の制限)について、「小学校就学前までとすることが適当である」としている。

 子が3歳になるまでの両立支援の拡充に向けては、「テレワークを事業主の努力義務として位置付けることが必要である」としている。

 さらに、子の看護休暇制度について、「取得可能な子の年齢については、小学校3年生の修了までに引き上げることが必要である」とし、また、「子の行事(入園式、卒園式など)参加や、感染症に伴う学級閉鎖等にも活用できるよう、見直しを行うことが必要である」としている。

「政府の『経済財政運営と改革の基本方針2023』に対する談話」を公表<連合>

 連合は6月16日、「政府の『経済財政運営と改革の基本方針2023』に対する談話」を公表した。

 談話は、政府の方針について、「掲げられた個々の政策は、現下の構造課題に一定の対策を示しているものの、財源が明確に示されていない政策や基礎的財政収支黒字化の目標年度の明記がまたしても見送られるなど、今後の経済財政運営に責任ある方針とは言い難い」と評した上で、「まずは、2024年度に行うとしている『経済・財政一体改革の進捗に関する点検・検証』を前倒しし、その結果を踏まえ、財政健全化の道筋を示すべき」と主張している。

「『経済財政運営と改革の基本方針2023』などに対する談話」を公表<全労連>

 全労連は6月19日、「『経済財政運営と改革の基本方針2023』などに対する談話」を公表した。

 談話は、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」について、「その狙いは、働くルールの改悪に他ならない」と指摘し、「『日本型職務賃金』『ジョブ型雇用』『多様な社員』等の制度導入は、雇用の重層的な分断、差別化、不安定化であり、賃金の生計費要素や手当の削除、評価制度の強化と個別賃金管理の徹底であり、賃上げにはつながらない」と批判している。

 また、「経済財政運営と改革の基本方針2023」について、「少子化対策や雇用対策のいずれも経済成長のための手法としか見ていない」と批判し、「本来行うべきは、国民ひとり一人の幸福につながる労働者の権利保障や子どもを安心して生み・育てることができる環境を創り上げることだ」と主張している。

「最低賃金の地域間格差解消と大幅引き上げを求める」談話を公表<全労連>

 全労連は6月30日、「2023年度最低賃金額改定の目安に関わる議論開始にあたって『最低賃金の地域間格差解消と大幅引き上げを求める』」との談話を公表した。

 談話は、「最低賃金の低い地域は、経済的格差となり、少子化や人口流失、人手不足、さらに教育格差にまでつながり、地域衰退の深刻な原因となっている。ランク数が4から3へ縮小されたが、これだけで地域間格差が縮小されるわけではない」とし、格差解消に向けた抜本的な改定議論を求めている。

「『男性の家事・育児』に関するアンケート調査結果」を公表<経団連>

 経団連は6月5日、「『男性の家事・育児』に関するアンケート調査結果」を公表した。この調査は、企業における育児休業の取得状況や男性の家事・育児の促進に関する施策等を把握することを目的に4月17日から5月11日にかけて実施されたものであり、経団連の会員企業278社が回答した。

 2022年の男性の育児休業取得率は47.5%となり、前年から18.2%上昇した。

 2022年における育児休業平均取得期間については、男性が43.7日、女性が367.1日となった。

 男性の家事・育児を促進する上での課題については、「家事・育児と仕事を両立する社員の代替要員の不足」が83.5%と最も多く、次いで「アンコンシャス・バイアスが存在するなど家事・育児と仕事を両立しづらい職場風土」(67.3%)、「長時間労働や硬直的な働き方」(59.4%)となった。

「骨太方針2023」・「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」に関するコメントを公表<経団連>

 経団連は6月16日、「骨太方針2023」と「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」に関する十倉会長のコメントを公表した。

 コメントでは、「一連の政策について、全体感を持って展開することで、『分厚い中間層』を形成していくとの方向性は、経団連の考えと軌を一にするものであり、高く評価したい」との評価が示されるとともに、「賃金引上げを消費につなげ、好循環をより確かなものとするためには、今回の一連の政策に加え、公正・公平で安心な全世代型社会保障の構築が不可避」であり、「政府においては、給付と負担、財源のあり方をめぐる議論と実行を期待したい」との考えが表明されている。

「経済財政運営と改革の基本方針2023」の閣議決定に対するコメントを公表<日本商工会議所・東京商工会議所>

 日本商工会議所及び東京商工会議所は6月16日、「『経済財政運営と改革の基本方針2023』(骨太の方針2023)の閣議決定に対する小林会頭コメント」を公表した。

 コメントでは、「今般の骨太方針において、わが国が、デフレマインドを完全に払拭し、成長と分配の好循環を目指すという明確なメッセージを打ち出したことを高く評価する」との評価が示されるとともに、「所得の向上を通じて、次代の中核を担う若い世代の人たちが将来展望を描けるようにすることが何より大切である」との考えが示されている。

「『経済財政運営と改革の基本方針2023』等の閣議決定について」を公表<経済同友会>

 経済同友会は6月16日、「『経済財政運営と改革の基本方針2023』等の閣議決定について」を公表した。

 同文書では、「経済がデフレ状態を脱するとともに、高齢化の進展に伴い構造的な人手不足社会が到来するなか、持続的な賃上げの実現に向け、労働移動の円滑化に注目した政策は、正に機を得たものであり評価する」との評価が示されるとともに、「時代の転換点を迎えるなか、企業は投資の重点をTangible Assetから人材育成などIntangible Assetへと移し、切磋琢磨していくべき」との提起がなされている。

2023春季生活闘争 第7回(最終)回答集計結果を公表<連合>

 連合は7月5日、2023春季生活闘争第7回(最終)回答集計結果を公表した。

 平均賃金方式で回答を得た5,272組合の「定昇相当込み賃上げ計」は加重平均で1万560円・3.58%(昨年同時期比4,556円増・1.51ポイント増)となった。

 このうち、組合員300人未満の中小組合(3,823組合)では、加重平均で8,021円・3.23%(昨年同時期比3,178円増・1.27ポイント増)となった。

 6月末時点の結果としては、いずれも、比較可能な2013年以降で最も高いという。

 夏季一時金の回答集計では、加重平均で金額が71万7,421円、月数が2.34か月となった。

2023年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況(第1回集計)を公表<経団連>

 経団連は6月23日、2023年春季労使交渉における中小企業の回答状況(原則従業員500人未満、組合員数による加重平均)の第1回集計結果を公表した。

 集計可能な17業種277社の月例賃金の平均引き上げ額は7,864円と、同一企業の前年実績から2,645円増加した。アップ率は2.94%となり、同一企業の前年実績から0.97ポイント増加した。引き上げ額が7,000円を超え、かつ、アップ率が2%台後半を記録したのは1994年以来だという。

夏季一時金第3回集計の結果を公表<国民春闘共闘委員会>

 国民春闘共闘委員会は7月5日、夏季一時金第3回集計の結果を公表した。

 回答金額が判明している469組合の単純平均は58万9,036円となり、前年同期を1万5,434円上回った。回答月数が判明している830組合の単純平均は1.93か月となり、前年同期を0.07か月上回った。

2023年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計)を公表<経団連>

 経団連は6月29日、2023年夏季賞与・一時金(ボーナス)の大手企業における業種別妥結状況(原則従業員500人以上、組合員数による加重平均)の第1回集計結果を公表した。

 集計可能な16業種121社の平均妥結額は95万6,027円となり、同一企業の前年妥結額から3万5,951円増加(3.91%増)となった。

夏季一時金の平均妥結額は81万8,331円(2.57か月分相当)<東京都>

 東京都は6月12日、2023年夏季一時金要求・妥結状況の中間集計結果を公表した。この調査は、都内に所在する1,000の民間労働組合を対象としている。

 既に妥結した労働組合のうち、前年妥結額と比較可能な206組合の平均妥結額は81万8,331円(加重平均)で、平均賃金(31万8,077円・39.9歳)の2.57か月分に相当する。同一労組の前年妥結額(79万7,676円)との比較では、2万655円増加(2.59%増)となった。

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・5月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査結果」

労働力人口 6,932万人(6,930万人)
就業者数

6,745万人(6,741万人) 前年同月比15万人の増加

完全失業者数

188万人(190万人) 前年同月比3万人の減少

完全失業率【季節調整値】

2.6%(2.6%)

労働市場<東京都・5月>

資料出所:東京労働局「一般職業紹介取扱状況」

月間有効求職者数

136,294人(135,326人)

月間有効求人数 204,201人(204,406人)
有効求人倍率【季節調整値】 1.76倍(1.79倍)<全国:1.31倍(1.32倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

常用労働者月間賃金・労働時間<東京都・4月・事業所規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「東京都の賃金、労働時間及び雇用の動き(毎月勤労統計調査)」

現金給与総額

375,459円(390,249円)

定期給与 349,753円(344,651円)
特別給与 25,706円(45,598円)
総実労働時間数 144.6時間(143.0時間)
所定内労働時間数 132.1時間(130.5時間)
所定外労働時間数 12.5時間(12.5時間)

倒産状況<東京都・5月>

資料出所:東京商工リサーチ

件数 130件(120件)<全国:706件(610件)>
負債総額 31,609百万円(139,802百万円)<全国:278,734百万円(203,861百万円)>

 倒産件数は130件(前年同月比30.0%増)と、9か月連続で前年同月を上回った。負債総額は316億900万円(前年同月比129.4%増)となった。負債額10億円以上の倒産は8件(前年同月3件)となった。業種別件数ではサービス業(30件)、卸売業(23件)、建設業(15件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のシワ寄せ・売掛金等回収難)は110件となり、倒産件数における構成比は84.6%となった。倒産企業総従業員数は672人となり、前年同月の336人と比べ100.0%増となった。


お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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