労働情勢(2021年2月28日現在)

東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 労働情勢

1月完全失業率は2.9%-総務省労働力調査

 総務省統計局は3月2日、「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)1月分」を発表した。1月の完全失業率(季節調整値)は2.9%で前月に比べ0.1ポイントの低下となった。就業者数は6,637万人で、前年同月に比べ50万人減少し、10か月連続の減少となった。完全失業者数は197万人で、前年同月に比べ38万人増加し、12か月連続の増加となった。
産業別就業者では、前年同月比で「宿泊業、飲食サービス業」、「卸売業、小売業」、「サービス業(他に分類されないもの)」などが減少となった。  

厚生労働省「毎月勤労統計調査(令和2年12月分結果確報)」

 厚生労働省は2月24日、「毎月勤労統計調査(令和2年12月分結果確報)」を発表した。事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年比3.0%減の547,612円となった。また、総実労働時間は前年比2.5%減の136.9時間となり、このうち所定外労働時間は前年比7.6%減の9.8時間となった。

厚生労働省「毎月勤労統計調査(令和2年分結果確報)」

 厚生労働省は2月24日、「毎月勤労統計調査(令和2年分結果確報)」を発表した。事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年比1.2%減の318,387円となった。    
また、総実労働時間は前年比2.8%減の135.1時間となり、このうち所定外労働時間は前年比13.2%減の9.2時間となった。

一般職業紹介状況(令和3年1月分)

 厚生労働省は3月2日、「一般職業紹介状況(令和3年1月分)」を発表した。
発表によると、1月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.05ポイント上昇し1.10倍(正社員0.79倍)であった。
また、都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は前月と比べ0.05ポイント上昇し、1.23倍であった。

令和2年上半期雇用動向調査結果の公表

 厚生労働省は2月3日、令和2年上半期雇用動向調査結果について公表した。
調査結果によると、令和2年上半期の入職者数は4,360.7千人、離職者数は4,321.9千人で、年初の常用労働者数に対する割合である入職率及び離職率はいずれも8.5%となっている。また、前年同期に比べ、入職率は1.2ポイント、離職率は0.6ポイント低下となった。
産業別でみると、入職・離職率いずれにおいても「宿泊業・飲食サービス業」(入職率12.4%、離職率15.3%)が最も高く、次いで「教育・学習支援業」(入職率11.5%、離職率12.2%)という結果となった。

令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の結果の公表

 厚生労働省は2月12日、令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査結果を公表した。
調査結果によると、3年前と比べて正社員以外の労働者比率が「上昇した」事業所は16.2%、「低下した」事業所は14.6%。正社員以外の労働者比率が上昇した事業所について、比率が上昇した就業形態(複数回答)をみると、「パートタイム労働者」が63.0%、次いで「嘱託社員(再雇用者)」が22.8%となっている。
 正社員以外の労働者を活用する理由(複数回答)をみると、「正社員を確保できないため」とする事業所割合が38.1%(前回27.2%)と最も高く、前回に比べて上昇している。次いで、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」が31.7%(前回32.9%)、「賃金の節約のため」が31.1%(前回38.6%)となっており、これらの理由の事業所割合は、前回に比べて低下している。

「産業雇用安定助成金」の創設について

 厚生労働省は2月5日、「産業雇用安定助成金」を創設することを公表した。 この助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合に、出向元と出向先の双方の事業主に対して助成するものとなっている。

休業支援金・給付金の大企業の非正規雇用労働者の取扱い等について

 厚生労働省は2月12日、休業支援金・給付金の大企業の非正規雇用労働者の取扱い等について公表した。
発表によると、今年1月からの緊急事態宣言の影響を受ける大企業に勤めている一定の非正規雇用労働者についても新たに休業支援金・給付金の対象となった。
 対象となる労働者は、大企業に雇用されるシフト労働者等(※1)であって、事業主が休業させ、休業手当を受け取っていない労働者と定められた。また、対象となる休業期間及び支給額については、令和3年1月8日以降の休業(※2)については休業前賃金の80%、令和2年4月1日~6月30日までの休業は休業前賃金の60%となっている。
 (※1)労働契約上、労働日が明確でない方(シフト制、日々雇用、登録型派遣)
  (※2)令和2年11月7日以降に時短要請を発令した都道府県は、それぞれの要請の始期以降の休業も含む

職場における新型コロナウイルス感染症感染予防と健康管理の強化について協力依頼

 厚生労働省は2月12日、労使団体や業種別事業主団体などの経済団体に対し、職場での新型コロナウイルス感染症への感染予防と健康管理の強化などを傘下団体に周知するよう、依頼したことを公表した。また、新たに全国の都道府県労働局に、事業主や労働者からの相談に対応する「職場における新型コロナウイルス感染拡大防止対策相談コーナー」を設置した。
 経済団体への協力依頼は、緊急事態宣言の延長を受けて行ったもので、今回で6回目となる。今回、感染防止のため事業場で特に留意すべき事項「取組の5つのポイント」の取り組み状況の確認を事業主に働きかけること、テレワークの積極的な活用、新たに設置した相談コーナーの利用勧奨などを、傘下団体に周知するよう依頼した。
 厚生労働省では併せて、各事業などを所管する省庁などに対し、上記の趣旨を周知するよう、協力を依頼している。

新たな雇用・訓練パッケージについて

 厚生労働省は2月12日、新たな雇用・訓練パッケージについて公表した。 この取組は、新型コロナウイルス感染症による雇用への影響が長期化している中で、休業や離職を余儀なくされた労働者、シフトが減少したシフト制で働く労働者などを支援するため、新たに策定されたものである。 取組内容は、雇用調整助成金の特例措置による雇用維持、大企業のシフト制労働者等への対応、感染症対策業務等による雇用創出への支援、求職者支援制度への特例措置の導入、職業訓練の強化、ハローワークでの積極的な職業訓練の周知・受講斡旋・就職支援等を主としている。

公正取引委員会へ「取引の適正化」に向けた要請を実施<連合>

 連合は2月16日、公正取引委員会に対し「取引の適正化」に向けた要請を行った。
要請では、①中小企業のみならず親事業者を含めた経営者や契約担当者及び従業員に対して下請代金支払遅延等防止法等の法令やルールに係る周知・理解の徹底をはかること、②下請法違反の未然防止策等を通じて下請取引の適正化をはかり、「消費税価格転嫁等対策」を含む公正取引委員会所管の法令違反の取り締まりの強化や相談機能の充実をはかるための措置を講ずること、③「大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請等中小事業者への『しわ寄せ』防止のための総合対策」にもとづき、働き方改革の実現に向けて、下請法違反事例に対しては所管法令に則り対処すること、④事業者とフリーランスとの取引に係る関係法令の適用関係や問題行為等、事業者に対してガイドラインの周知をはかり実効性を確保することを求めた。

厚生労働省へ「働き方も含めた『取引の適正化』の実現に向けた要請」を実施<連合>

連合は2月24日、厚生労働省に対し「働き方も含めた『取引の適正化』の実現に向けた要請」を行った。
要請では、①中小企業に対する「時間外労働の上限規制」の導入及び「同一労働同一賃金」の適用開始を踏まえ、一層の周知及び環境整備や支援を行うことにより「働き方改革」の実現をはかること、②「大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請け等中小事業者への『しわ寄せ』防止のための総合対策」にもとづき、働き方を含めた適正な取引が行われるよう、相談窓口や大企業への個別訪問を通じて把握した「しわ寄せ」事案に対して厳正に対応し、関係省庁および都道府県労働局・労働基準監督署等に対して確実に情報共有を行うことを求めた。

2021年厚生労働省予算案について要請を実施<全労連>

 全労連は2月18日、2021年度予算案について、三原厚生労働省副大臣に要請を実施した。
要請内容として、①医療機関や介護・福祉施設の経営や体制が崩壊しないよう国による減収補填を行うこと、②休業支援金・給付金の対象期間を延長するとともに、事業主が非協力の場合でも給付するとした運用改善が地方によっては実施されていないため、各地の労働局に対して再度、取扱いを徹底すること、③雇用保険失業給付金について、「自己都合退職」の場合の給付制限を廃止し、支給限度額及び支給日数を引き上げること、④求職者支援制度の予算を10倍に増やし、定員増と給付金の月額23万円以上への改善をはかること、⑤生活保護申請をためらう事態を生じさせないため、扶養照会は廃止し、気軽に相談・申請できる環境を整備すること、緊急小口資金や総合福祉資金などの特別措置を延長し、返済免除措置の拡充と貸付者に対する据置き期間延長を行うこと等を求めた。

厚生労働省からの「新型コロナウイルス感染症への感染予防及び健康管理に関する要請」を受けて<経団連>

 経団連は2月12日、厚生労働省からの職場における新型コロナウイルス感染症及び健康管理に関する要請を受け、15日会員宛に協力を呼びかけた。同要請は2月2日の新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条に基づく緊急事態宣言の延長にあたり「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を改正したことを受けたものである。 同方針では、テレワーク・時差出勤等の推進や体調がすぐれない人が気兼ねなく休めるルール策定ならびに実行しやすい雰囲気づくり、職場での「居場所の切り替わり」に注意することなど、事業所において特に留意すべき事項となる「取組の5つのポイント」について各企業に取り組み状況の確認を求めている。

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・1月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」

労働力人口 6,834万人 ( 6,860万人 )
就業者数

6,637万人 ( 6,666万人 )前年同月比50万人の減少。

完全失業者数 197万人 ( 194万人 )前年同月比38万人の増加。
完全失業率【季節調整値】 2.9% ( 2.9% )

労働市場<東京都・1月>

資料出所:東京労働局「職業安定業務統計」

月間有効求職者数 136,846人 ( 137,582人 )
月間有効求人者数 156,321人 ( 156,319人 )
有効求人倍率【季節調整値】 1.23倍 (1.16倍 ) <全国:1.10倍(1.06倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

一般労働者月間賃金・労働時間<東京都・12月・規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「毎月勤労統計調査」

現金給与総額 720,433円( 351,968円 )
定期給与 329,190円( 329,502円 )
特別給与 391,243円( 22,466円 )
総実労働時間数 136.9時間 (138.2時間 )
所定内労働時間数 126.0時間 (127.3時間 )
所定外労働時間数 10.9時間 (10.9時間 )

倒産状況<東京都・1月>

資料出所:東京商工リサーチ

件数 73件 (  131件 ) <全国:474件(558件)>
負債総額 9,525百万円 ( 15,704百万円 ) <全国:81,388百万円(138,518百万円)>

 倒産件数は、73件(前年同月比15.05%減)と、5か月連続で前年同月を下回った。負債総額は、95億2500万円(前年同月比3.4%減)となった。負債額10億円以上の倒産は3件(前年同月0件)となった。業種別件数ではサービス業(21件)、建設業(10件)、情報通信業(9件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のしわ寄せ・売掛金等回収難)は62件となり、倒産件数における構成比は84.9%となった。倒産企業総従業員数は276人となり、前年同月の425人と比べ35.1%減となった。

お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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