労働情勢(2026年4月30日現在)

東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 主要労働統計

  1. 毎月勤労統計調査 令和8年2月分結果確報

  厚生労働省「毎月勤労統計調査(令和8年2月分結果確報)」

厚生労働省は4月23日、「毎月勤労統計調査(令和8年2月分結果確報)」を公表した。

事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年同月比3.4%増の298,542円となった。総実労働時間は前年同月比1.0%減の129.4時間となり、このうち所定外労働時間は前年同月比1.0%減の9.7時間となった。現金給与総額指数を消費者物価指数で除した実質賃金は前年同月比2.0%増となった。

  1. 3月の完全失業率は2.7%で前月から0.1ポイント上昇―総務省労働力調査

        総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年(令和8年)3月分」

総務省統計局は4月28日、「労働力調査(基本集計)2026年(令和8年)3月分」を公表した。

3月の完全失業率(季節調整値)は2.7%で、前月に比べ0.1ポイントの上昇となった。就業者数は6,773万人で前年同月に比べ3万人増加し、2か月連続の増加となった。完全失業者数は194万人で、前年同月に比べ14万人増加し、8か月連続の増加となった。産業別就業者では、前年同月比で「宿泊業,飲食サービス業」、「情報通信業」、「運輸業,郵便業」などが増加となった。

 

  1. 3月の有効求人倍率は1.18倍で前月から0.01ポイント低下―一般職業紹介状況

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分)」

厚生労働省は4月28日、「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」を公表した。

3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べて0.01ポイント低下し、1.18倍(正社員0.99倍)であった。都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は、前月と比べ0.01ポイント上昇し、1.74倍であった。

令和7年度平均の有効求人倍率は1.20倍となり、前年度に比べて0.05ポイント低下した。令和7年度平均の有効求人は前年度に比べ4.1%減となり、有効求職者は0.7%減となった。

 

  1. 2025年度「人手不足」関連倒産の結果を公表<東京商工リサーチ>

東京商工リサーチ「2025年度の『人手不足』倒産 過去最多の442件 人件費高騰が1.7倍増、労働集約型で深刻さを増す」

東京商工リサーチは4月8日、「2025年度『人手不足』関連倒産」の結果を公表した。

2025年度の「人手不足」倒産は前年度比43.0%となり、442件で過去最多となった。「人件費高騰」が195件(同77.2%増)、「従業員退職」が108件(同40.2%増)となり、いずれも大幅に増えて過去最多を記録している。

また、産業別では、飲食業64件(前年度比178.2%増)、医療,福祉事業53件(同76.6%増)を含むサービス業他が170件(同73.4%増)と突出し、建設業93件(同8.1%増)、運輸業70件(同11.1%増)と、労働集約型で人手不足が深刻さを増している。

 

  1. 「倒産集計 2025年度報(2025年4月~2026年3月)」を公表<帝国データバンク>

帝国データバンク「倒産集計 2025年度報(2025年4月~2026年3月)」

帝国データバンクは4月8日、「倒産集計 2025年度報(2025年4月~2026年3月)」を公表した。倒産件数は1万425件で前年度比3.5%増加し、4年連続で前年度を上回り、2年連続で1万件を超えた。

業種別では、「サービス業」が2,677件(同1.5%増)で最も多く、次いで「小売業」が2,233件(同5.9%増)、「建設業」が2,041件(同5.6%増)となった。

「人手不足」が理由の倒産は441件で、年度としては初めて400件を超え、過去最多を更新した。

業種別では、「サービス業」が114件で最も多く、「建設業」が112件、「運輸・通信業」が69件となっている。

また、「従業員10人未満」の小規模企業が333件となり、全体の約75%を占めている。

 

  1. 「2026年度の業績見通しに関する企業の意識調査」の結果を公表<帝国データバンク>

  帝国データバンク「2026年度の業績見通しに関する企業の意識調査」

帝国データバンクは4月22日、「2026年度の業績見通しに関する企業の意識調査」の結果を発表した。この調査は、2026年3月に全国2万3,349社にインターネット調査行い、有効回答企業数は1万312社:回答率44.2%)

2026年度の業績見通し(売上高及び経常利益)について「増収増益」を見込んでいる企業の割合は23.9%となり、2025年度の前回調査から0.7ポイント減少し3年連続で減少となった。また、「減収減益」を見込む企業は22.6%(同1.4ポイント増)で3年連続の増加となり、「前年度並み」とした企業は21.9%(同0.2ポイント減)となった。

 

【国の動き】

  1. 「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案」を閣議決定

  厚生労働省「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案」

政府は4月7日、「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案」を閣議決定した。

この法案は、労働災害に対する幅広いセーフティネットを整備するため、労災保険の遺族補償年金における支給要件等を見直し、夫のみに課せられた支給要件を撤廃している。

また、労災保険給付請求権等の消滅時効期間の見直し、労災保険の適用事業に関する暫定措置を廃止、任意適用となっていた農林水産業の小規模な事業も労災保険の適用事業とするなどの措置を講ずるものとなっている。

 

  1. 「26年版中小企業白書・小規模企業白書」を公表<中小企業庁>       

中小企業庁「26年版中小企業白書・小規模企業白書」

中小企業庁は4月24日、「2026年版中小企業白書・小規模企業白書」を公表した。

白書では、約30年ぶりの高い賃上げ水準が続く一方で、中小企業は大企業に比べ賃上げ余力が乏しく、持続的な賃上げに向けた原資確保が課題と指摘している。

また、2010年代以降、多くの業種で人手不足感が強まっており、その深刻化が懸念される中で「稼ぐ力」を高め、「強い中小企業」へと成長することが重要とし、労働生産性向上に有効な取組や、経営者が持つべき基本的知識である「経営リテラシー」の強化・実践について分析している。

 

  1. 「社会保険適用拡大特設サイト」をリニューアル<厚生労働省>  

厚生労働省「『社会保険適用拡大特設サイト』をリニューアル」

厚生労働省は4月1日、「社会保険適用拡大特設サイト」のリニューアルを公表した。

今回のリニューアルでは、令和7年年金制度改正の内容を反映し、新たに適用拡大の対象となる事業所や対象者について周知、社内準備の進め方や加入によるメリットなどを理解しやすいよう工夫している。

適用拡大を推進するうえで、制度改正の趣旨、対象者や施行時期などを国民にわかりやすく伝えていくとともに、事業主に対しても正確な情報発信に努めていくとしている。

 

【労使団体等】

  1. 「連合および労働組合のイメージ調査」の結果を公表<連合>

連合「連合および労働組合のイメージ調査」

連合は4月16日、「連合および労働組合のイメージ調査」の結果を公表した。この調査は、2026年1月実施され、全国の15歳以上の男女1,000名の有効サンプルが集計された。

調査結果によると、連合の認知率については、「どのような組織か知っている」が13.7%、「名前を聞いたことがある」が33.2%、「知らない」が53.1%となった。

連合を知っている人(469名)に、連合が自身にとって身近な存在だと思うかを尋ねると、身近だと思う人が30.7%(「非常にそう思う」5.3%、「そう思う」7.5%、「ややそう思う」17.9%の合計)、身近だと思わない人が69.3%(「全くそう思わない」17.1%、「そう思わない」18.3%、「あまりそう思わない」33.9%の合計)となった。

また、「労働組合を知っている」と回答した人は81.0%だったが、認知率は若年層ほど低くなる傾向がみられ、最も低い10 代では 57.0%だった。

 

  1. 「女性労働者の労働実態に関する調査」の結果を公表<全労連>

全労連「女性労働者の労働実態に関する調査」

全労連は4月13日、女性労働者の労働実態に関する調査結果を公表した。

調査結果では、全労連が試算する「最低生計費」に満たない賃金で働く女性が全体の43.6%に達し、無期雇用の非正規雇用者の約半数が年収200万円未満で働いている状況が明らかになった。また、全体の約7割が「仕事を辞めたい」と感じながら働き続けており、最も切実な要求は「賃金引き上げ」と「人員増」が正規・非正規ともにトップとなっている。

妊娠・出産・育児の実態に関する調査結果では、それらを理由に仕事をやめた経験がある女性労働者が非正規で4割台に上っているとしている。

 

  1. ヤマト団交拒否、配達委託の個人事業主と和解<労働組合>

全労連「個人事業主(業務委託)でも経営者と団体交渉できる。ヤマト運輸『クロネコメイト』3万人一斉契約解除事件の和解成立の意味とは? 」

建交労(全日本建設交運一般労働組合)は4月23日、ヤマト側が団体交渉を拒否したのは不当労働行為に当たるとして、東京都労働委員会に救済を申し立て、和解が成立したことを公表した。

会社側は「労働組合法上の使用者にあたらない」として団交を拒んでいたが、和解協定書では「団交に応じるべきであったのに会社が応じなかったことで、申立てに至ったことに遺憾の意を表する」としている。

なお、労組側の代理人弁護士は、委託先の個人事業主について「同社が労組法上の労働者であることを認めた」との認識を示したが、これに対し、会社側は「和解したのは事実だが、労働者性を認めたものではない」としている。

 

  1. 「労働時間規制の見直し論議で三者構成の審議求める声明」を公表<日本弁護士連合会>

日本弁護士連合会「労働時間規制の見直し論議で三者構成の審議求める声明」

日本弁護士連合会は4月20日、公労使の三者構成原則を踏まえた、裁量労働制の規制強化を含む審議を求める会長声明を公表した。

声明では、「労働時間法制は労働法規の根幹をなす大原則であり、その意義は第一に労働者の生命及び健康の保持である」とし、「裁量労働制には慎重な議論を要する」としている。

また、労働法制審議に政労使の三者構成を推奨する国際労働機関(ILO)の原則を踏まえるべきとしたうえで、労働者側を代表する委員はいずれの会議も1人かゼロであり、「使用者側の利益に大きく偏った構成」と批判している。

労働政策審議会での公正な審議を求めるとしている。

 

  1. 「2026年度 新入社員意識調査」の結果を公表<東京商工会議所>

東京商工会議所「2026年度 新入社員意識調査」

東京商工会議所は4月22日、「2026年度 新入社員意識調査」の結果を公表した。

結果によると、就職先の会社でいつまで働きたいかとの問いに対し、「定年まで」が25.6%となり、前年度と比較して1.2ポイント増加した。一方、「チャンスがあれば転職」23.8%、「将来は独立」7.1%、「時期をみて退職」5.1%「子どもができるまで」1.2%「結婚するまで」1.2%と将来的な離職、退職を考えている人は38.4%だった。

また、就職先の会社を決める際に重視したことは、「社風、職場の雰囲気」が57.9%、「処遇面(初任給、賃金、賞与、手当など)」が53.1%(複数回答)で5割を超えている。

管理職を目指したいかとの問いに対しては、「目指したい」60.5%、「目指したくない」39.5%となり、目指したい理由は「仕事を通じて、自分自身を成長させたいから」が44.1%で最も多く、目指したくない理由は「自分には適性がなさそうだから」が47.2%で最も多くなった。

 

  1. 「最低賃金に関する要望」を公表<日本商工会議所、東京商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会>

日本商工会議所、東京商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会「最低賃金に関する要望」

日本商工会議所、東京商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会の4団体は4月16日、「最低賃金に関する要望」を公表した。

要望事項として、中小企業・小規模事業者の経営実態を踏まえた政府方針への見直し、法定三要素(賃金・生計費・支払能力)に基づく審議会での議論の徹底、過度な地域間競争の抑制、企業の準備期間等を踏まえた合理的な発効日の設定など6つの要望が掲げられている。

 

【春季賃上げ】

  1. 2026春季生活闘争 第5回回答集計結果を公表<連合>

連合「2026春季生活闘争 第5回回答集計結果」

連合は5月12日、2026春季生活闘争第5回回答集計結果を公表した。

平均賃金方式で回答を得た4,046組合について、「定昇相当込み賃上げ計」は加重平均で16,733円・5.05%(昨年同時期比16円減・0.27ポイント減)となった。

このうち、組合員300人未満の中小組合(1,838組合)は加重平均で14,113円・4.99%(昨年同時期比268円増・0.04ポイント減)となった。

 

  1. 26国民春闘共闘賃上げ第5回集計を公表<国民春闘共闘委員会>

国民春闘共闘委員会「26国民春闘共闘賃上げ第5回集計の結果」

国民春闘共闘委員会は4月30日、26国民春闘共闘賃上げ第5回集計の結果を公表した。

有額回答を得た495労働組合について、回答額の単純平均は9,163円・3.24%となり、前年同期から612円増加(0.08ポイント増)となった。前年実績と比較可能な組合の単純平均額は9,007円と前年実績を408円上回り、賃上げ率は3.32%と前年実績を0.11ポイント下回った。

 

 

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・3月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査結果」

労働力人口 6,967万人(6,959万人)
就業者数 6,773万人(6,779万人) 前年同月比3万人の増加
完全失業者数 194万人(180万人) 前年同月比14万人の増加
完全失業率【季節調整値】 2.7%(2.6%)

 

労働市場<東京都・3月>

資料出所:東京労働局「一般職業紹介取扱状況」

月間有効求職者数 130,220人(128,495人)
月間有効求人数 203,597人(205,358人)
有効求人倍率【季節調整値】 1.60倍(1.56倍)<全国:1.18倍(1.19倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

 

常用労働者月間賃金・労働時間<東京都・2月・事業所規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「東京都の賃金、労働時間及び雇用の動きー毎月勤労統計調査地方調査結果」

現金給与総額 394,222円(379,610円)
定期給与 368,376円(365,007円)
特別給与 25,846円  (14,603円)
総実労働時間数 130.3時間(130.0時間)
所定内労働時間数 119.3時間(119.4時間)
所定外労働時間数 11.0時間(10.6時間)

 

倒産状況<東京都・3月>

資料出所:東京都産業労働局「東京の企業倒産状況」(東京商工リサーチ調べ)

件数 138件(160件)<全国:924件(851件)>
負債総額 16,294百万円(24,982百万円)<全国:114,682百万円(133,160百万円)>

 倒産件数は、138件(前年同月比0.7%増)と、2か月連続で前年同月を上回った。負債総額は、162億9,400万円(前年同月比16.2%減)となった。負債額10億円以上の倒産は4件(前年同月5件)となった。業種別件数ではサービス業(31件)、情報通信業(23件)、建設業(17件)、卸売業(17件)、小売業(17件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のシワ寄せ・売掛金等回収難)は98件となり、倒産件数における構成比は71.0%となった。倒産企業総従業員数は573人となり、前年同月の400人と比べ43.3%増となった。

 

お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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