労働情勢(2026年5月31日現在)

東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 主要労働統計

【調査・統計】

  1. 毎月勤労統計調査 令和8年3月分結果確報

厚生労働省「毎月勤労統計調査(令和8年3月分結果確報)」

厚生労働省は5月22日、「毎月勤労統計調査(令和8年3月分結果確報)」を公表した。
  事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年同月比3.1%増の31万8,563円となった。総実労働時間は前年同月比0.5%増の133.4時間となり、このうち所定外労働時間は前年同月比1.0%減の10.1時間となった。現金給与総額指数を消費者物価指数で除した実質賃金(持家の帰属家賃を除く総合)は前年同月比1.4%増となった。

 

  1. 4月の完全失業率は2.5%で前月に比べて0.2ポイント低下<総務省労働力調査>

総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年(令和8年)4月分」

総務省統計局は5月29日、「労働力調査(基本集計)2026年(令和8年)4月分」を公表した。

4月の完全失業率(季節調整値)は2.5%で、前月と比べて0.2ポイント低下した。就業者数は6,860万人で前年同月に比べ64万人増加し、3か月連続の増加となった。完全失業者数は193万人で、前年同月に比べ5万人増加し、9か月連続で増加となった。産業別就業者では、前年同月比で「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」などが増加となった。

 

  1.   4月の有効求人倍率は1.18倍で前月と同水準<一般職業紹介状況>
       
    厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年4月分)」

厚生労働省は5月29日、「一般職業紹介状況(令和8年4月分)」を公表した。

4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同水準で1.18倍(正社員0.99倍)であった。都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は前月と同率となり1.74倍であった。

 

  1. 「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」を公表<厚生労働省・文部科学省>

厚生労働省・文部科学省「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」

厚生労働省と文部科学省は5月22日、「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」を公表した。大学(学部)の就職率は98.0%(前年同期比増減なし)となった。短期大学は97.4%(同0.4ポイント上昇)となった。

男女別では、男子は97.5%(同0.1ポイント減少)、女子は98.7%(同0.2ポイント上昇)となった。

 

  1. 令和8年3月高等学校卒業予定者の就職状況(令和8年3月末現在)を公表<文部科学省>

文部科学省「令和8年3月高等学校卒業予定者の就職状況(令和8年3月末現在)」

文部科学省は5月22日、「令和8年3月高等学校卒業予定者の就職状況(令和8年3月末現在)」を公表した。就職率は97.9%で、前年同期より0.1ポイント減少した。

男女別では男子が98.4%で前年同期と変わらず、女子が0.3ポイント減少して97.0%となった。学科別では、内定率の高い順に、工業99.5%、水産99 .4%、看護99.0%、商業98.8%などとなっている。

 

  1. 令和7年の労働災害発生状況を公表<厚生労働省>

厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況」

厚生労働省は5月27日、令和7年の労働災害発生状況を公表した。新型コロナ感染症のり患によるものを除いた、労働災害による死亡者数は前年から46人減少して700人となり過去最少となった。業種別では、件数の多い順に、建設業が214人(前年比18人・7.8%減)、製造業が115人(同27人・19.0%減)、陸上貨物運送事業が80人(同28人・25.9%減)などとなった。

また、休業4日以上の死傷者数は13万5,333人(前年比385人・0.3%減)となった。業種別では、件数の多い順に、製造業が26,371人(前年比305人・1.1%減)、商業が23,128人(同1,089人・4.9%増)、保健衛生業が19,291人(同424人・2.2%増)などとなった。

 

  1. 令和7年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表<厚生労働省>

厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」

厚生労働省は5月27日、令和7年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を取りまとめ、公表した。

令和7年における職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は、1,803人(前年比546人・約43%増)となり、統計開始以来最多となった。また、熱中症による死亡者数は19人(前年比12人・約39%減)となった。

死傷者数1,803 人について、業種別でみると、製造業が365人、建設業が292人の順で多くなった。死亡者数19人について、業種別でみると、建設業が5人と最も多く、次いで、警備業が3人となった。

 

  1. 「中小企業の働き方改革に関する調査」の結果を公表<日本商工会議所・東京商工会議所>

日本商工会議所・東京商工会議所「中小企業の働き方改革に関する調査」

日本商工会議所および東京商工会議所は5月25日、「中小企業の働き方改革に関する調査」の結果を公表した。

正社員1人当たりの月間の平均的な時間外労働時間が、「20時間未満(なしを含む)」と回答した企業は81.0%となった。また、過去1年間で、1か月当たりの時間外労働が最も多かった正社員の時間外労働時間を、「0時間超20時間未満」と回答した企業は29.9%で最多となり、一方、単月45時間以上と回答する企業は25.9%だった。特定の人材には長時間労働が発生している傾向と言える。

業種別では、「単月45時間以上」と回答した企業は運輸業(62.5%)、情報通信・情報サービス業(35.2%)、製造業(34.6%)、建設業(32.1%)で多くなっている。

 

【国の動き】

  1. 「第4回日本成長戦略会議労働市場改革分科会」を開催<厚生労働省>

厚生労働省「第4回日本成長戦略会議労働市場改革分科会」

厚生労働省は5月27日、「第4回日本成長戦略会議労働市場改革分科会」を開催し、とりまとめ(案)について議論した。

とりまとめ(案)では、労働供給力強化に向けた労働市場改革に向けて、経営戦略と人材戦略の連携強化を進めつつ、「人的資本投資」や「社会を支える社会インフラ関連職の確保や労働生産性の向上の促進」などの課題の解決に向けた取組を進めていくことが重要としている。

また、労働力供給制約下における「強い経済」の実現に向けた労働市場改革の方向性について、①処遇向上に向けたリ・スキリング支援や労働生産性の向上、②労働者の希望に応じた円滑な労働移動の促進、③多様な人材の労働参加の推進の3つにまとめている。

連合事務局長談話

連合「連合事務局長談話」

連合は5月27日、事務局長談話を発表した。

談話では、労働時間法制等の政策対応について裁量労働制などの規制緩和を示唆する内容が盛り込まれたことは極めて遺憾であるとした。また、経済団体などが主張した労働基準監督署の指導について緩和が示唆されたことは看過できないとしている。    

さらに、裁量労働制拡充などの規制緩和は必要なく、働く者の健康確保と生活時間保障の観点からの労働時間法制等の実現に向け、組織の総力を結集して取り組みを進めていくとしている。

全労連事務局長談話

全労連事務局長談話

全労連は6月1日、事務局長談話を発表した。

談話では、長時間労働が蔓延している職場の実態や不安定雇用による低賃金などの劣悪な労働条件などに触れず、労働者の劣悪な処遇が経済停滞を引き起こしていることの反省は全く見えないとし、長時間労働・賃金抑制につながる裁量労働制について廃止を求めるとともに、労働基準監督署の指導について対等な労使協議の仕方も含めて労働時間の短縮を労働者保護の観点から指導すべきとした。

また、使用者側委員が主張する雇用保険法の見直しについても失業者の生活を恣意的に不安定にさせ、労働条件が悪くても速やかに就職(労働移動)させることが狙いであり反対であるとしている。

 

  1. 「小規模事業者の『稼ぐ力』の強化に向けた諸課題に関する検討会」の中間とりまとめを公表<中小企業庁>

中小企業庁「小規模事業者の『稼ぐ力』の強化に向けた諸課題に関する検討会」

中小企業庁は5月22日、「小規模事業者の『稼ぐ力』の強化に向けた諸課題に関する検討会」の中間とりまとめを公表した。中間とりまとめでは、小規模事業者支援法に基づく経営発達支援事業として「地域を支え持続的発展及び賃上げを目指す事業者への支援」に加え、「成長志向の事業者の創出メカニズム」や「エッセンシャル・サービスを担う事業者への支援」に向けた取組を検討し、経営発達支援事業における施策体系の再構築を進めるとしている。

また、これらの取組を支える観点から、商工会・商工会議所の経営指導員等の支援機能の強化が必要となるため、広域連携や支援機関間連携に加え、支援実績の評価・優良事例PR・都道府県への支援充実に向けた働きかけを促進し、経営指導員の能力向上に向けた研修の充実や業務効率化、専門家等によるサポートの強化等を推進するとしている。

 

  1. モデル労働条件通知書の改訂版を公表<厚生労働省>

厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働者に関する ルールが変わります」

厚生労働省は、パート・有期労働法等の施行規則改正に対応するため、労働者の雇い入れ時に交付が義務付けられている労働条件通知書の改訂版モデル様式を公表した。10月1日に施行された規則では、雇い入れ時の明示事項として、常の労働者との待遇の相違の内容や理由について説明を求めることができるとしている。

また、10月1日施行の改正「同一労働・同一賃金ガイドライン」の確定版も公表している。

 

【労使団体等】

  1. 「2026年度 連合の重点政策」を要請<連合>

連合「2026年度 連合の重点政策」

連合は5月18日、上野厚生労働大臣に対して「2026年度 連合の重点政策」を要請した。

要請事項として、①雇用保険について、一般会計からの機動的な繰り入れなどによる財政の安定化、本来の役割である「労働者の生活と雇用の安定」に向けた機能強化、②職場におけるハラスメントの規範意識の醸成、行所管省庁との連携によるカスハラ対策への取り組み支援、ILO 190号条約批准に向けた取り組みの推進、③介護人材の確保・離職防止に向けた処遇改善、地域の介護サービス提供体制の維持、ICTやAI活用支援した業務負担軽減、カスハラ対策を含めた安心して働き続けられる環境整備など3つの項目を中心に行った。

また、意見交換の中では、「介護人材の確保に向けて、2027年度介護報酬改定などを通じた他産業と遜色のない賃金水準へ引き上げるための処遇改善が待ったなしの状況」と改めて指摘している。

 

  1. 「働く者の声を尊重した労働時間法制の実現を求める緊急要請」を発表<連合>

連合「働く者の声を尊重した労働時間法制の実現を求める緊急要請」

連合は5月18日、上野厚生労働大臣に対して「働く者の声を尊重した労働時間法制の実現を求める緊急要請」を実施した。

芳野会長は、要請書の手交に際して「いま求められているのは、長時間労働頼みの経済成長ではなく、誰もが安心・安全に働き、生活時間を確保できる労働時間法制だ。特に経済界が強く求める裁量労働制の拡充は不要である。働く者の声をしっかりと受け止めていただきたい」とし、①上限規制の強化など、「働き方改革」の定着・推進に向けた法改正に取り組むこと、②裁量労働制の対象業務の安易な拡大や要件緩和は行わないこと、③変形労働時間制の要件緩和などは行わないことなどの5つの要請を行った。

 

  1. 裁量労働制の拡充を求める提言を発表<経団連>

経団連「裁量労働制の拡充を求める提言」

経団連は5月19日、裁量労働制の拡充を求める提言を発表した。提言では、労働時間とアウトプット(成果)が必ずしも比例しない仕事は「労働時間に比例した処遇」に適さないとし、柔軟で自律的に働ける環境を整備して働き甲斐を高めるために、「労働時間をベースとしない処遇」を可能とする裁量労働制の拡充が必要としている。

また、(1)裁量労働制の対象とならない業務が一部混在する業務、(2)課題解決型提案業務、(3)シェアードサービス業務の3つを裁量労働制に追加すべき業務とし、運用に当たっては長時間労働と処遇の改悪につながらないのは当然としつつ、長時間労働の防止や処遇確保の濫用防止策を組み込んだ見直しを行うべきとしている。

 

  1. 「『外国人との秩序ある共生と受入れ』の戦略的な推進に向けて」を公表<日本商工会議所・東京商工会議所>

日本商工会議所・東京商工会議所「『外国人との秩序ある共生と受入れ』の戦略的な推進に向けて」

日本商工会議所及び東京商工会議所は5月14日、「『外国人との秩序ある共生と受入れ』の戦略的な推進に向けて」を公表した。

今回の提言では、少子高齢化の進展に伴い、経済活動の中核を担う生産年齢人口の減少が進行する中で、「外国人との秩序ある共生と受入れ」に必要な3つの提言を行っている。

「提言Ⅰ.国家成長戦略として、国益を見据えた外国人政策の確立を」では、日本人と外国人が互いを尊重し、共に支え合うという意識醸成と環境整備が重要などとしている。また、「提言Ⅱ.「地域住民」である外国人が包摂される社会の構築を」では、地域住民として安心して生活できる包括的プログラム等の環境整備が急務としている。さらには、「提言Ⅲ.「働き手」である外国人の秩序ある受入れの推進を」において、「国際的に人材獲得競争が激化する中、わが国を選び、安心して学び、働き、法制度やルールを守って暮らし、社会に貢献する外国人は国策として積極的に受入れるべき」としている。

 

【春季賃上げ】

  1. 2026春季生活闘争 第6回回答集計結果を公表<連合>

連合「2026春季生活闘争 第6回回答集計結果」

連合は6月4日、2026春季生活闘争第6回回答集計結果を公表した。

平均賃金方式で回答を得た4,862組合について、「定昇相当込み賃上げ計」は加重平均で16,518円・5.02%(昨年同時期比119円増・0.24ポイント減)となった。

このうち、組合員300人未満の中小組合(3,391組合)は加重平均で12,929円・4.70%(昨年同時期比476円増・同率)となった。

 

  1. 26国民春闘共闘賃上げ第6回集計を公表<国民春闘共闘委員会>

国民春闘共闘委員会「26国民春闘共闘賃上げ第6回集計」

国民春闘共闘委員会は5月15日、26国民春闘共闘賃上げ第6回集計の結果を公表した。

有額回答を得た561労働組合について、回答額の単純平均は9,310円・3.34%となり、前年同期から77円増加(0.15ポイント増)となった。前年実績と比較可能な組合の単純平均額は9,204円と前年実績を656円上回り、賃上げ率は3.31%と前年実績を0.03ポイント下回った。

 

  1. 2026年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況(第1回集計)を発表<日本経済団体連合会>

日本経済団体連合会「2026年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況(第1回集計)」

経団連は5月27日、2026年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況(第1回集計)を発表した。

集計可能な21業種103社の月例賃金の平均引き上げ額は1万9,964円、アップ率は5.46ポイント増加となった。同一企業の前年実績から608円の増加、アップ率は0.01ポイント増加している。

 

  1. 賃上げ(月例賃金)の平均妥結額は1万6,467円 賃上げ率4.63%<東京都>

東京都「2026年春季賃上げ要求・妥結状況の中間集計結果」

東京都は5月18日、2026年春季賃上げ要求・妥結状況の中間集計結果を公表した。この調査は、都内に所在する1,000の民間労働組合を対象としている。

既に妥結した労働組合のうち、前年の妥結額と比較可能な251組合の平均妥結額は1万6,467円で、これは平均賃金(35万5,962円・41.0歳)の4.63%に相当する。同一労組の前年妥結額との比較では129円減少(0.78%減)となった。

 

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・4月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査結果」

労働力人口 7,053万人(6,967万人)
就業者数 6,860万人(6,773万人) 前年同月比3万人の増加
完全失業者数 193万人(194万人) 前年同月比14万人の増加
完全失業率【季節調整値】 2.5%(2.7%)

 

労働市場<東京都・4月>

資料出所:東京労働局「一般職業紹介取扱状況」

月間有効求職者数 136,478人(130,220人)
月間有効求人数 200,341人(203,597人)
有効求人倍率【季節調整値】 1.47倍(1.56倍)<全国:1.18倍(1.18倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

 

常用労働者月間賃金・労働時間<東京都・3月・事業所規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「東京都の賃金、労働時間及び雇用の動きー毎月勤労統計調査地方調査結果」

現金給与総額 419,954円(394,222円)
定期給与 374,690円(368,376円)
特別給与 45,264円(25,846円)
総実労働時間数 136.6時間(130.3時間)
所定内労働時間4 124.9時間(119.3時間)
所定外労働時間数 11.7時間(11.0時間)

 

倒産状況<東京都・4月>

資料出所:東京都産業労働局「東京の企業倒産状況」(東京商工リサーチ調べ)

件数 137件(138件)<全国:883件(924件)>
負債総額 13,766百万円(16,294百万円)<全国:111,896百万円(114,682百万円)>

 倒産件数は、137件(前年同月比6.2%増)と、3か月連続で前年同月を上回った。負債総額は、137億6,600万円(前年同月比30.3%減)となった。負債額10億円以上の倒産は2件(前年同月4件)となった。業種別件数ではサービス業(35件)、情報通信業(30件)、卸売業(21件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のシワ寄せ・売掛金等回収難)は95件となり、倒産件数における構成比は69.3%となった。

 

お問い合わせ

雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654

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