労働情勢(2025年10月31日現在)
東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。
1 主要労働統計
毎月勤労統計調査 令和7年8月分結果確報
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年8月分結果確報」
厚生労働省は10月23日、「毎月勤労統計調査(令和7年8月分結果確報)」を公表した。
事業所規模5人以上の事業所結果(確報)によると、現金給与総額は前年同月比1.3%増の29万9,955円となった。総実労働時間は前年同月比2.3%減の129.1時間となり、このうち所定外労働時間は前年同月比3.3%減の9.0時間となった。
9月の完全失業率は2.6%で前月と同率―総務省労働力調査
総務省「労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)9月分」
総務省統計局は10月31日、「労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)9月分」を公表した。
9月の完全失業率(季節調整値)は2.6%で、前月と同率となった。就業者数は6,863万人で前年同月に比べ49万人増加し38か月連続の増加となった。完全失業者数は184万人で、前年同月に比べ11万人増加し、2か月連続の増加となった。産業別就業者では、前年同月比で「学術研究,専門・技術サービス業」、「医療,福祉」、「サービス業(他に分類されないもの)」などが増加となった。
9月の有効求人倍率は1.20倍で前月と同水準― 一般職業紹介状況
厚生労働省は10月31日、「一般職業紹介状況(令和7年9月分)」を公表した。
9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同水準の1.20倍(正社員1.00倍)であった。都内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は、前月と比べ0.05ポイント上昇し、1.72倍であった。
「2024年国際教員指導環境調査」の結果を公表<経済協力開発機構>
経済協力開発機構(OECD)は10月7日、学校や教員に関する各国の状況を比較した「2024年国際教員指導環境調査」の結果を公表した。
小学校においての日本の常勤教員の仕事時間は、1週間当たり52.1時間で調査参加国平均40.4時間を大きく上回った。同じく中学校でも55.1時間となり、調査参加国平均40.1時間を大きく上回った。前回2018年調査と比べると、常勤教員の仕事時間は、小中学校とも1週間当たり約4時間減少しているが、前回と同様に、小中学校ともに調査参加国中最長となった。
教員の仕事時間の内訳では、事務業務の時間が小学校では4.5時間(各国2.7時間)、中学校では5.2時間(各国3.0時間)となり、各国と比較して小中学校ともに長く、また中学校においては課外活動の時間が5.1時間(各国1.7時間)と大きく上回った。
新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表<厚生労働省>
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
厚生労働省は10月24日、令和4年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況を取りまとめ公表した。
就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が37.9%(前年度比0.5ポイン低下)、新規大学卒就職者が33.8%(同1.1ポイント低下)となった。
令和7年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表<厚生労働省>
厚生労働省は10月14日、令和7年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表した。
令和7(2025)年中における賃金の改定の実施状況(9~12月予定を含む。)をみると、「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」企業の割合は91.5%(前年91.2%)、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は1.1%、「1人平均賃金は変わらなかった・変わらない」は1.0%、「賃金の改定を実施しない」は2.4%(同2.3%)、「未定」は3.9%(同6.4%)となった。
労働組合の有無別にみると、労働組合ありでは「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」の割合は95.5%(同97.9%)、労働組合なしでは90.4%(同89.0%)となった。
また、賃金の改定を実施した又は予定し、額も決定している企業及び賃金の改定を実施しない企業の「1人平均賃金の改定額」は13,601円(同11,961円)、「1人平均賃金の改定率」は4.4%(同4.1%)となった。
労働組合の有無別にみると、労働組合ありでの「1人平均賃金の改定額」は15,229円(同10,650円)、「1人平均賃金の改定率」は4.8%(同4.5%)、労働組合なしでは11,980円(同10,170円)、4.0%(同3.6%)となっている。
「2025年全国女性社長調査」の結果を公表<東京商工リサーチ>
東京商工リサーチは10月27日、「2025年全国女性社長調査」の結果を公表した。全国の約440万社のうち、女性社長は過去最多の68万4,669人(前年比5.4%増)となった。前年から3万5,407人増え、全社長の15.55%(前年15.24%)を占めている。調査を開始した2010年に21万2,153人だった女性社長は、15年間で3.2倍(222.7%増)に増えた。
産業別にみると、女性社長率が最も高いのは、不動産業(25.15%)となり、、4人に1人が女性社長となった。次いで、サービス業他19.38%、小売業15.87%、情報通信業13.61%の順で高くなっている。一方、女性社長率が最も低いのは、建設業(5.52%)で、農・林・漁・鉱業8.31%、運輸業9.48%の順で低くなっている。
※この調査は、東京商工リサーチが保有する2025年7月現在の約440万社の経営者情報(個人企業を含む)から、女性社長(病院、生協などの理事長を含む)を抽出し分析している。
【国の動き】
労働者協同組合の設立状況を公表<厚生労働省>
厚生労働省は10月2日、労働者協同組合の設立状況を公表した。労働者協同組合は、労働者が組合員として出資し、その意見を反映して、自らその事業に従事することを基本原理とする組織である。
令和4年10月1日に労働者協同組合法が施行されてから3年が経過し、これまでに計168法人が全国各地に設立された(10月1日時点で厚生労働省が把握しているものに限る。)。設立された労働者協同組合では、高齢者支援、子ども支援、広告物や映像制作、イベント企画、食品製造・販売、障害児・障害者支援、困りごと解決支援、家事・清掃、農産物の生産など、様々な事業が行われ多様な就労機会を創出ている。
「令和7年版 過労死等防止対策白書」を公表<厚生労働省>
厚生労働省は10月28日、「令和7年版 過労死等防止対策白書」を公表した。同白書は、過労死等防止対策推進法の第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書である。
全業種の就業者を対象に実施されたアンケート調査の結果によると、労働時間や休日、賃金、福利厚生、人事評価などの労働条件に「不満」、「やや不満」と感じる人ほど週の総実労働時間が長いことが多く、週の実労働時間60時間以上で、普段の睡眠で休養が「全く取れていない」と「あまり取れていない」の合計が61.7%となった。また、健康になるための必要な取組として、「睡眠時間を増加させる(37.7%)」「職場でのストレスを減少させる(35.5%)」などとなった。
「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和6年度)」~建設企業の休日の取得状況等について集計~の結果を公表<国土交通省>
国土交通省「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和6年度)~建設企業の休日の取得状況等について集計~」
国土交通省は10月14日、「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和6年度)~建設企業の休日の取得状況等について集計~」の結果を公表した。
建設企業の休日の取得状況について、「4週8休」とする割合は「技術者」で28.6%(前年度比 7.4 ポイント増加)、技能者で29.4%(前年度比 3.6 ポイントの増加)となり、改善傾向がみられた。一方で、両者とも最も多い回答は「4週6休程度」だった。
「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール」を公表
<厚生労働省>
厚生労働省「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール」
厚生労働省は、「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール」を公表した。
このツールでは、令和6年改正育児・介護休業法で導入された各種措置義務に対応するため、企業の役割や対応すべきことを明確にし、それぞれの措置を効果的に実施するためのポイントや利用可能な様式・資料等を掲載している。
「賃上げ・最低賃金対応支援特設サイト」を公表<中小企業庁>
中小企業庁は10月30日、過去最大となった今年度の最低賃金引き上げに対応する中小企業・小規模事業者を後押しするべく、「賃上げ・最低賃金対応支援特設サイト」をミラサポplusのサイト内に立ち上げた。
サイトでは、賃上げの実現に向けた具体的な方法(3つのステップ)として、①従業員の賃金を引き上げた際の人件費のシミュレーション、②自社の収益を図るツール、③具体的な課題についての進め方のコツ、具体的な事例、相談窓口、関連する補助金などを示している。
【労使団体等】
2026春季生活闘争基本構想を確認<連合>
連合は、10月23日に開催した第 1 回中央執行委員会において、2026春季生活闘争の闘争方針策定に向けた「基本構想」を確認した。
基本構想は、2026春季生活闘争を「今こそ、“新しいステージ”の転換・定着の段階から実質賃金の持続的な上昇を伴う“賃上げノルム”の確立をめざすとき」とし、「物価高やいわゆるトランプ関税の影響など現下の課題も踏まえつつ、中長期的視点から賃上げの大きな流れを継続・拡大し、すべての働く人の生活向上を実現する」としている。
具体的な要求目標の目安については、「賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上とし、その実現にこだわる」としている。
中小企業庁幹部と東商幹部との意見交換会を開催<東京商工会議所>
東京商工会議所は10月14日、中小企業の活性化策の共通理解を深めることを目的に「中小企業庁幹部と東商幹部との意見交換会」を開催した。
意見交換会では、成長に向けた支援、人手不足や価格転嫁への対応など、各テーマに関して活発な意見交換がなされ、山下長官からは、「人手不足、物価高騰がある中で、デフレマインドは未だ残っている。特に商習慣については、昔の慣習から今の在り方に変えることが必要であり、様々な課題に対して柔軟に動いていきたい。」との発言があった。
「連合・賃金レポート2025(サマリー版)」を公表<連合>
連合は10月28日、「連合・賃金レポート2025(サマリー版)」を公表した。
このレポートは、厚生労働省が2024年3月27日に公表した「令和6年賃金構造基本統計調査」を分析したものであり、賃金水準が底を打った2013年以降の動向を中心に分析が行われている。また、男女間、中途採用者、60歳代労働者の賃金についても分析されている。
「景気定点観測アンケート調査」結果を公表<経済同友会>
経済同友会は10月17日、「景気定点観測アンケート調査」の結果を公表した。
2026年の賃上げについて「実施予定」と回答したのは68.3%で前年同期から横ばいとなった。また、「実施予定はない」は5.8%(前年同期7.7%)となった。
賃上げの方法については、「定期昇給」が71.6%、「ベースアップ」が57.9%、「初任給の引き上げ」が44.2%だった。
実施予定企業の賃上げ率は、「4~5%未満」が25.0%で最も高く、次いで「3~4%未満」が23.8%、「2~3%未満」が20.0%だった。
「経済成長と生活向上を実感できる社会に向けた挑戦:2025 ~ 2026 年度 経済情勢報告」を公表<連合総研>
連合総研「経済成長と生活向上を実感できる社会に向けた挑戦:2025 ~ 2026 年度 経済情勢報告」
連合総研は「経済成長と生活向上を実感できる社会に向けた挑戦:2025 ~ 2026 年度 経済情勢報告」を公表した。この報告書では、経済成長と生活向上を実感できる社会の実現に向けて、潜在成長力低下からの脱却、持続的な賃上げ、賃金格差の是正、就業意欲やウェルビーイングの向上等の課題について分析がなされ、それに基づく提言がなされている。
持続的な収入増加と雇用・くらしの再生に向けた各種の課題については、持続的な賃上げと収入の増加を図りつつ、労働市場の多様化が進む中ですべての勤労者が報われる社会を実現することが重要であるとの問題意識の下、従業員のウェルビーイングや就業意欲の向上、「年収の壁」の解消、企業規模間・男女間・雇用形態間の格差の是正等について、現状や課題を整理するとともに、今後の取組の方向性について提言している。
「2025年度上半期(4~9月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)状況」を公表<東京商工リサーチ>
東京商工リサーチ「2025年度上半期(4~9月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)状況」
東京商工リサーチは10月8日、「2025年度上半期(4~9月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)状況」を公表した。
全国の企業倒産件数は5,172件(前年同期比1.5%増)となり、負債総額は6,927億7,200万円(同49.6%減)だった。
倒産件数は、年度上半期では4年連続で増加し、2013年(5,505件)以来の水準となった。
負債総額は、3年連続で前年を下回り、4年ぶりに1兆円を割り込んだ。また、負債10億円以上が103件(同13.4%減)、同5億円以上10億円未満が122件(同12.8%減)といずれも減少し、小・零細規模の企業を中心に推移し、負債が半減した。
2 主要労働統計
※( )内は前月
労働力状態<全国・9月>
資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」
| 労働力人口 | 7,046万人(7,017万人) |
|---|---|
| 就業者数 | 6,863万人(6,835万人) 前年同月比49万人の増加 |
| 完全失業者数 | 184万人(182万人) 前年同月比11万人の増加 |
| 完全失業率【季節調整値】 | 2.6%(2.6%) |
労働市場<東京都・9月>
資料出所:東京労働局「一般職業紹介取扱状況」
| 月間有効求職者数 | 137,111人(138,121人) |
|---|---|
| 月間有効求人数 | 208,363人(210,760人) |
| 有効求人倍率【季節調整値】 | 1.52倍(1.53倍)<全国:1.20倍(1.20倍)> |
*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。
常用労働者月間賃金・労働時間<東京都・8月・事業所規模5人以上>
資料出所:東京都総務局「東京都の賃金、労働時間及び雇用の動きー毎月勤労統計調査地方調査結果」
| 現金給与総額 | 374,713円(497,357円) |
|---|---|
| 定期給与 | 361,830円(364,599円) |
| 特別給与 | 12,883円(132,758円) |
| 総実労働時間数 | 133.4時間(145.6時間) |
| 所定内労働時間数 | 122.8時間(134.0時間) |
| 所定外労働時間数 | 10.6時間(11.6時間) |
倒産状況<東京都・9月>
資料出所:東京都産業労働局「東京の企業倒産状況」(東京商工リサーチ調べ)
| 件数 | 129件(165件)<全国:873件(805件)> |
|---|---|
| 負債総額 | 30,875百万円(41,142百万円)<全国:112,470百万円(114,373百万円)> |
倒産件数は、129件(前年同月比18.9%減)と、4か月ぶりに前年同月を下回った。負債総額は、308億7,500万円(前年同月比39.4%減)となった。負債額10億円以上の倒産は8件(前年同月7件)となった。業種別件数では卸売業(31件)、サービス業(30件)、建設業(16件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のシワ寄せ・売掛金等回収難)は104件となり、倒産件数における構成比は80.6%となった。倒産企業総従業員数は492人となり、前年同月の560人と比べ12.1%減となった。
お問い合わせ
雇用就業部労働環境課
電話:03-5320-4654